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教育・文化
2014年2月5日(水)9:00

「園児に言葉の種まき」/保育園で方言講座

継承へ「まずは子供から」/広める会が初の取り組み


「人の体で学んでみよう」。方言で体の部位を教える下地慶彦さん(右)=4日、ひばり保育園

「人の体で学んでみよう」。方言で体の部位を教える下地慶彦さん(右)=4日、ひばり保育園

 「これは言葉の種まきなんです」。宮古方言を広める会(佐渡山力代表)が4日、ひばり保育園(下地宏幸園長)で優しい方言講座を開いた。人体の部位を方言で教えたり、歌遊びをしたりして、宮古方言という言葉を子供たちにたっぷりと浴びせた。代表の佐渡山さんは「今の子供は方言を使わないんです」と残念そうに言葉をつなぐ。「だから少しずつでいい。このような活動を通して、いつか花を咲かす言葉の種をまき続けたい」と話した。

 広める会は有志のメンバーで構成。先祖から引き継いできた方言を保持・継承することを目的に2010年ごろ立ち上げられた。

 昨年11月、宮古島の児童生徒を対象に方言に関するアンケートを実施したところ「方言を使わない」「方言をときどき使う(ほとんど使わない)」と答えた児童生徒が9割に達したことに危機感を覚え、「まずは小さな子供たちに伝えていこう」と決めて複数の保育園や小学校に方言講座の開催を持ち掛けた。

 ひばり保育園の講座には佐渡山さんと、顧問の上地慶彦さん、会員の本永安子さん、新城美津枝さんが講師として参加。子供たちにとってはおじいちゃん、おばあちゃんの存在だ。

 はじめに上地さんが人の体の部位を一つ一つ丁寧に紹介して日本語と方言を順番に話した。上地さんの後を追うように子供たちも方言を発声。途中口ごもってしまう場面もあったが、何度も繰り返して上手に話せるようになっていた。

 この次に学んだのが方言の歌遊び。本永さんと一緒に円をつくり、元気よく歌いながら宮古方言を楽しそうに発声していた。

 新城さんは、午年にちなむクイズを出した。「馬のことを宮古の方言で何と言いますか」と聞くと、子供たちは待ってましたとばかりに「ホース!」と表現。これには広める会のメンバーも苦笑いだった。

 佐渡山さんはこの日の活動を振り返り、「子供たちは純真無垢で、とても飲み込みが早い。だから今のうちに方言を伝えたい」などと意欲的に話した。

 同園副園長の下地順子さんは「方言はおじいちゃんやおばあちゃんとコミュニケーションを取るとても大切な言葉」と話し、広める会の活動に感謝した。

 広める会は、今後、複数の保育園や小学校で方言講座を予定している。開催の依頼があれば随時対応していくとしており、希望する園や学校があれば代表の佐渡山さん(自宅72・4549、携帯090・2584・8368)まで連絡するよう呼び掛けている。


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