12/13
2025
Sat
旧暦:10月24日 先負 丙 
教育・文化
2014年6月17日(火)9:00

南静園の戦跡巡る/市総合博物館主催

偏見差別と戦争被害を学習


太平洋戦争当時、施設の入所者が避難した「ぬすとぅガマ」で、上里さん(右)が戦時下の様子を説明した=14日、宮古南静園の東海岸沿い

太平洋戦争当時、施設の入所者が避難した「ぬすとぅガマ」で、上里さん(右)が戦時下の様子を説明した=14日、宮古南静園の東海岸沿い

 市総合博物館が主催する慰霊の日関連行事、「宮古南静園の戦跡見学と講話」が14日、同園内で開催され、一般の参加者を含む32人が同平和学習に参加した。太平洋戦争当時、ハンセン病への偏見や差別に加え、戦争被害という過酷な状況に置かれた入所者の二重の苦しみについて学んだ。

 同園内文化センターで開かれた講話では「ハンセン病と人権市民ネットワーク宮古」の知念正勝共同代表が「ハンセン病とはなにか」と題して、感染症の一種であり、現在では治療方法が確立された同病の感染から発症、症状までを説明した。同ネットワーク宮古の亀浜玲子さんが「ハンセン病隔離と宮古南静園の戦争被害」とのテーマで、「無らい県運動」などの差別の歴史や宮古療養所(同園の前身)の設立経緯などについて、プロンプターで資料写真を映しながら解説した。

 同園に9歳で入所し、太平洋戦争当時を園内で過ごした「宮古退所者の会」の上里栄さんが、園内での戦争体験を語った。上里さんは園内にあった「少年舎」が戦争が劣悪を極めた1944年に閉鎖され、45年3月の空爆で、園の人たちは東側海岸で避難生活を強いられたことなどを講話した。

 水源地に近かったことから、「ぬすとぅガマ」と呼ばれる自然壕にほとんどの人が避難生活を余儀なくされ、飢えやマラリアで多くの命が犠牲になったことなどを話した。上里さんは「戦争は絶対にしてはいけないことだ」と述べ、講話を締めくくった。

 その後、参加者らは同園ボランティアガイドの案内で、戦争当時の避難場所である「ぬすとぅガマ」の中に入り、上里さんから当時の壕内の様子などの説明を受けた。初めて同講座に参加したという宮國恵里子さん(42)は「同世代の親たちは宮古の戦争や南静園の苦難の歴史について知らない人がほとんどだ。次世代に戦争の実相を伝えるという大事な役割もあるのだと強く感じた」と同講座に参加しての感想を話した。


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2025年12月10日(水)9:00
9:00

路線バスが週末無料に/市制施行20周年記念事業

13日スタート、8日間実施   市は9日、市制施行20周年記念として「宮古島生活バス路線利用促進事業」を実施すると発表した。同事業は島内を運行する路線バス7路線を週末など計8日間を無料とする。市役所で記者会見した市企画政策部の石川博幸部長は「この機会…

2025年11月6日(木)9:00
9:00

入域観光客66万5000人/25年度上半期

前年比3万人増 過去2番目に多く 2025年度上半期(4月~9月)の入域観光客数は前年比で3万6414人(5・79%)増の66万5270人だった。過去最多となった18年の68万355人に迫る2番目の記録。市観光商工課が5日発表した。9月の入域観光客数は12万7…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!