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教育・文化
2014年10月16日(木)9:00

クイチャー衣装引き渡し/市教委が保存3団体に

伝統織りで伝統舞を


荷川取、うるか、友利のクイチャー保存会・愛好会の役員に苧麻糸を用いて作製された衣装が提供された=14日、市伝統工芸品センター

荷川取、うるか、友利のクイチャー保存会・愛好会の役員に苧麻糸を用いて作製された衣装が提供された=14日、市伝統工芸品センター

 市教育委員会(宮國博教育長)が今年度の沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用して実施した「宮古島市neo歴史文化ロード整備事業」の「無形民俗文化財資料作製業務」(350万円)で作った衣装(着物)の引き渡しが14日、市伝統工芸品センターで行われた。衣装作製の委託を受けた宮古織物事業協同組合(理事長・長濱政治副市長)の上原則子専務から「うるかクイチャー愛好会」(砂川佳一会長)、「友利クイチャー保存会」(友利勝昌会長)、「荷川取クイチャー保存会」(平良恵勇会長)の市指定無形文化財保持3団体に衣装が手渡された。

 着物は11月2日に開催されるクイチャーフェスティバルで各団体の代表が着用し披露する。

 同衣装の作製は宮古の伝統的織物である「宮古上布」で用いられる苧麻糸を使用して着物の作製を行い、伝統織りを伝統行事で用いることで、その両方の保護と振興に努めることが狙い。

 今回、3団体には各3着が提供(貸与)され、各団体の意見を聴取した上で改良を加え、次年度以降、本格的に生産事業に結びつけていきたい考えだ。

 市教育委員会生涯学習振興課の岩本大輔さんによれば、今年度事業では「砧打ち」を行った織物と行っていない織物、手縫いと手縫いでないものに分けて試作品を提供した。クイチャーを踊る際に身に付けやすいものはどちらかを各団体から聴取した上で、次年度から作製事業を本格化させる。

 次年度は約25~30着分の予算要求を行い、3団体に8~10着ほどを提供する計画だ。着物で用いた反物は横糸を手績みの苧麻糸、縦糸には紡績綿糸を用い、上布糸として用いることができない太い糸や目の粗い糸でも有効活用することで、「ブー績み」の生産意欲にもつなげることができる。

 衣装の作製を受託した上原専務は「島の伝統芸能と伝統工芸が融合したとても意義ある事業だ。次代に歴史文化を伝える良い機会になる」と述べた。

 また、荷川取クイチャー保存会の平良会長は「苧麻糸を用いた本物の衣装提供は今後、若い人たちの郷土芸能保存に対する意識や意欲向上にもつながることだろう」と喜んだ。


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