12/05
2025
Fri
旧暦:10月16日 先勝 戊 
社会・全般
2010年10月1日(金)23:56

ナショナリズム(行雲流水)

 民族、領土、宗教に根ざす小さな火種は、大火事になりがちだ。「正義」の旗が立てやすいからだ。だが後でよくよく調べてみると、ほんとは国内の内輪もめが原因だったりする。選挙や権力維持や予算獲得競争など国内事情が絡んでいる場合が多い


▼「ナショナリズム」は揮発性の高い燃料にも似て、ちょっとした摩擦で火がつき、燃え上がる特質がある。時には、炎が逆流して自国政府へ向かう。時の政府は対外強硬策を次々と打ち出して、火の勢いを外へ向けようとする▼尖閣諸島をめぐる中国政府の姿勢は、理不尽と思えるほど強硬だ。その背景には、経済大国としての自信とは裏腹に、深刻な国内事情があるようにみえる。都市と農漁村の生活格差拡大、都市部における貧富の階層分化、一党独裁の統治機構の揺らぎなどだ。国民の不満のはけ口を外へ仕向けることは歴史上よくある話だ▼日本でも、昭和16年の日米開戦に至る10年間がそうだった。満州事変、国際連盟脱退、近衛声明(「蒋介石を相手とせず」)、日独伊三国同盟などに世論は拍手喝さいし、憂さ晴らしをした。「ジリ貧を恐れてドカ貧になることなかれ」(米内光政)との慎重派もいたが、対外強硬派が主流を占めた▼冷静な目を持つべきは国民かもしれない。もちろん政府の不手際はたださなければならないが、議論すべきは具体的な再発防止策だ。たとえば国際司法裁判所の活用、安全保障条約や日中漁業協定の枠組みの見直しなどだ▼「外交にラスト・ワードはない」(ルーズベルト)との言葉もある。


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2025年11月6日(木)9:00
9:00

入域観光客66万5000人/25年度上半期

前年比3万人増 過去2番目に多く 2025年度上半期(4月~9月)の入域観光客数は前年比で3万6414人(5・79%)増の66万5270人だった。過去最多となった18年の68万355人に迫る2番目の記録。市観光商工課が5日発表した。9月の入域観光客数は12万7…

2025年11月5日(水)9:00
9:00

下地島・台中線新規就航へ/スターラックス

台北線は再開、来年2月から   下地島エアポートマネジメント(鶴見弘一社長)は4日、今年8月から10月24日まで下地島-台湾(台北)線を運航していた台湾のスターラックス航空が来年2月から再び同路線を運航すると発表した。今回は台北だけでなく新たに下地島…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!