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政治・行政 社会・全般
2015年7月30日(木)9:08

「守れず申し訳ない」/3歳児暴行死

県、連携不足認める/事件の概要説明し陳謝


3歳児暴行死事件で「子どもを守れなかった」と陳謝する県子ども生活福祉部の金城部長(左から2番目)と県コザ児童相談室の前川所長(右端)=29日、県庁

3歳児暴行死事件で「子どもを守れなかった」と陳謝する県子ども生活福祉部の金城部長(左から2番目)と県コザ児童相談室の前川所長(右端)=29日、県庁

 【那覇支社】3歳の娘に暴行を加え死亡させたとして宮古島市の建設作業員伊良部和士容疑者(21)が逮捕された事件を受けて県は29日、記者会見を開き、事件の概要・経緯と今後の対応方針について説明した。

 会見の冒頭、県子ども生活福祉部の金城武部長は、娘への虐待が県コザ児童相談所の係属事案だったことを明らかにした上で、「死亡事故を重く受け止め、子どもを守れなかったことについて大変申し訳なく思っている。亡くなられたお子さんのご冥福を心から祈りたい」と述べ、県民に陳謝した。

 同席したコザ児相の前川英伸所長は、一家が6月に沖縄市から宮古島市に転居した後、宮古島署や宮古島市家庭児童相談室など関係機関との会議が早期に開けなかったことを「悔やまれる」と述べた。死亡した娘について、「(容疑者から)つねる、水を掛ける、大便を食べさせるなどの行為があったと(母親から)聴取している」と報告し、娘を含め0~4歳の子ども全員について、4月の時点で虐待と認識していると説明した。

 金城部長は今後の取り組みについては「児童相談所の対応が適切であったかどうか、専門家による検証を行う。発生原因の分析や再発防止策を検討する中で明らかにしたい」と述べた。県は今回の事案は中度から重度の児童虐待と認識して対応。一家の転居に伴い、事案が沖縄市から宮古島市にまたがり、警察や関係機関との連携が万全だったかなどを含め、学識経験者や弁護士など専門家による検証委員会で再発防止策を協議する。

 事件は26日午後6時10分ごろ、宮古島市平良の自宅アパートで、長女の内間美里愛ちゃん(3)を床に突き倒すなどして、頭部損傷を負わせ、翌日に死亡させた疑い。伊良部容疑者は28日、傷害致死の疑いで宮古島署に逮捕された。

 美里愛ちゃんは4人きょうだいの長女で母親(23)と前夫との娘。母親と伊良部容疑者との間には生後3カ月の男児がいる。伊良部容疑者による美里愛ちゃんや母親らへの虐待は、4月に県のコザ児童相談所が確認。家庭訪問を行うなどして一時保護を決定したが、一家が6月中旬に沖縄市から継父の曾母がいる宮古島市に転居したことで実現しなかった。その後の指導で母親らに宮古島市から離れることを促し、応じない場合には職権で一時保護を行う方針が決定していたが、事件が発生した。


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