12/05
2025
Fri
旧暦:10月16日 先勝 戊 
教育・文化
2016年10月2日(日)9:05

子どもの貧困の現状語る/堀川県研究所長が講話

「学び支える」テーマに/教育研究集会記念講演会


堀川所長の話を熱心に聞く来場者=1日、久松小学校体育館

堀川所長の話を熱心に聞く来場者=1日、久松小学校体育館

 第63次教育研究集会(主催・県教職員組合宮古支部)の記念教育講演会が1日、久松小学校体育館で開かれた。県総合子ども研究所の堀川愛所長が講師を務め、「子どもの貧困を学び支える」をテーマに子どもの貧困問題の現状やその背景などについて語った。

 堀川所長は、発展途上国の難民キャンプなどで食糧支援を受けているような貧困は「絶対的貧困」と定義されるのに対し、最近、日本で言われている子供の貧困は一般的にできることができない状態になる「相対的貧困」と説明。具体例として、3食の食事が取れない、学校の修学旅行に参加できない、高校、大学への進学をあきらめる、地域のイベントに参加できないことなどを挙げた。

 現代の貧困は医療や食費を制限したり進学を断念する経済的貧困と、虐待や社会的孤立などから生じる非経済的(社会的)貧困が合わさった複合的貧困が多いと語る堀川氏。その背景には非正規社員の増加や正社員でも所得が上がらない経済状況、子育ての自己責任論の一般化、地域ネットワークの損失などがあるとの考えを示した。

 日本の子供の貧困の問題として、親に対して「子育てができて当たり前」という社会からのプレッシャーがあり、親も「頑張れない自分が悪い」などと思ってしまい、子育てができていない現状を言えないようにする努力をしてしまう悪循環が生まれることなどを挙げた。

 貧困の定義が明確になっていないことも日本の問題点と指摘。最低限の暮らしをするために必要なものは何かという指標を明確に定め、社会認識を統一させることで支援が行いやすくなるとの考えを示した。

 来場者は堀川所長の話を熱心に聞き入っていた。


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2025年11月6日(木)9:00
9:00

入域観光客66万5000人/25年度上半期

前年比3万人増 過去2番目に多く 2025年度上半期(4月~9月)の入域観光客数は前年比で3万6414人(5・79%)増の66万5270人だった。過去最多となった18年の68万355人に迫る2番目の記録。市観光商工課が5日発表した。9月の入域観光客数は12万7…

2025年11月5日(水)9:00
9:00

下地島・台中線新規就航へ/スターラックス

台北線は再開、来年2月から   下地島エアポートマネジメント(鶴見弘一社長)は4日、今年8月から10月24日まで下地島-台湾(台北)線を運航していた台湾のスターラックス航空が来年2月から再び同路線を運航すると発表した。今回は台北だけでなく新たに下地島…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!