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社会・全般
2017年2月11日(土)9:02

岸本さんが体験談紹介

DV防止考える講座/がじゅまる沖縄主催


薬物依存と暴力について自身の体験を語る岸本さん=10日、市中央公民館視聴覚室

薬物依存と暴力について自身の体験を語る岸本さん=10日、市中央公民館視聴覚室

 近親者間での暴力(DV)の防止について考える講座(主催・更生保護法人がじゅまる沖縄DV加害者更生相談室)が10日、市中央公民館視聴覚室で開かれた。薬物依存の経験があり、かつて暴力を振るう側であった薬物依存症回復施設・沖縄ダルクの岸本裕樹さん(39)が自身の体験談を紹介した。

 今回の講座は「デモンストレーターズ(人は変われることを自ら示してみせる人達)からのメッセージ 今わかる暴力・暴力の影響~変わり続けたい僕からあなたへ伝えたいこと~」と題して開催された。

 京都出身の岸本さんは子供のころ、自分よりも1歳違いの兄と妹が母親から手を掛けて育てられていると感じ、自分に目を向けてもらおうと酒やタバコに手を出し、怒られることで親に大事にされていると感じたという。

 その後、エスカレートしてシンナーを吸ったり暴力行為をしたり、外泊するようになっただけでなく、兄に覚せい剤を勧められ「兄に負けたくない」との思いから中学2年生のころから覚せい剤に手を出した結果、薬物依存となったことを説明。何度も補導され少年院に入れられもしたが薬物依存からは抜け出せず、成人してからは暴力団に入り、暴力を振るう心的ストレスから薬の量が増えるという悪循環が続いたという。

 覚せい剤を止めるきっかけは3回目の逮捕。面会に来た兄に沖縄ダルクへ行くことを勧められ、出所後、沖縄へ来てダルクでDVに関する講座の手伝いなどをするようになった。その中で、人は暴力を受けなくても心が傷付くことがあることに気づいたという。

 岸本さんは「薬でごまかしていたので、心が傷付くことにずっと気づかなかった。まだ分からないことはあると思うが、これから自分の生き方で人を傷付けてはいけないと思った。まだ治ったわけではないが、残りの人生は仲間や両親、きょうだいのためにできることをやらしてもらって生きていきたいと思えるようになった」と語った。


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