宮沢さん「島唄」解説
悲惨な沖縄戦「伝えたくて」

シンガーソングライターの宮沢和史さんによる講演「『島唄』と歩んだ33年…」が17日、マティダ市民劇場で開催された。同講演会は宮古毎日新聞の創刊70周年記念事業。
宮沢さんは1992年に発表した代表曲「島唄」について「戦争で亡くなった20万人以上の御霊を鎮魂すること、二度と戦争が起きないように願うことを伝えたかった」と秘めた思いを語った。
100万枚を超えるヒット作となった島唄。発表から33年間を振り返り、楽曲制作の経緯や沖縄への思い、今後の活動について落ち着いた口調で語った。
20代で沖縄民謡に興味を引かれて来県。ひめゆり平和資料館などを訪れ、沖縄戦について学び、衝撃を受けたという。
「沖縄戦に無知だった自分を恥じた。自分のような無知な人間に沖縄戦を伝えたくて『島唄』をつくった」と強調した。
発表時はバブル時代。「戦争反対を訴えても伝わらない。男女の出会いから別れを描いたようになっているが、一行一行に違う意味を込めてある。一つの歌詞に、二つの意味を込める手法を取った」と明かした。
「千代にさよなら」「八千代の別れ」は軍事教育に逆らえずに散っていく命を、「このまま永遠に夕凪（なぎ）を」には二度と沖縄の島々に戦争が起きないことを願っているという。
最後は三線で「島唄」を熱唱し、来場者から大きな拍手を浴びていた。

未来に向けての活動として、「くるちの杜（もり）100年プロジェクト」を紹介。
三線のさお材として使われる「くるち（琉球コクタン）」を植え、100年後の未来へ継いでいくことを目指している。今年の3月にも宮古島で活動を行った。

講演を聴いた安保由紀子さんは「戦争を知らない世代が、戦争をどう語り継ぐかを悩んでいた。『どんな小さな声でもいいから、隣の人でもいいからあったことを伝えて行くことが大事だ』という宮沢さんの言葉が胸に残った」と感想を述べた。

「唄方」本社に寄贈
宮沢さんが講演会で

シンガーソングライターの宮沢和史さんが17日、沖縄民謡を収録したCDセット「唄方（うたかた）プロジェクト」を宮古毎日新聞社（山内忠社長）に寄贈した。マティダ市民劇場で行われた本誌創刊７０周年記念事業、「宮沢和史さん講演会」の中で贈呈された。
宮沢さんは「市民の皆さんが聴けるような形をつくれるよう、活用してほしい」と話した。

同プロジェクトは沖縄の音楽を50年後、100年後の世界につなぐことを目的に、宮沢さんが沖縄民謡245曲を収録したもの。
国内外の沖縄県人および県内の中・高・大学・公立図書館などに「音の教科書」として寄贈されている。

宮古毎日新聞社創刊周年第回宮古毎日親睦ゴルフ大会(主催・宮古毎日新聞社、主管・市ゴルフ協会、特別協賛・日本トランスオーシャン航空)は8日、市内2カ所のチャンピオンコースで行われた。

開催は6年ぶり。島内外から約240人のゴルフ愛好者が参加し夏空の下、日ごろの練習成果を競って親睦を深めた。
プレー後は表彰式と親睦会が行われ、互いの健闘をたたえながら交流した。(6、7面に写真特集、成績は後日掲載)
大会は4部門に分かれて行われた。

151人が出場した一般の部は荷川取竜成さんが優勝。
27人で争ったシニアの部は川平勲さん、人が参加したミッドグランドシニアの部は下地孝志さん、人で競ったレディースの部は篠原あゆみさんがそれぞれ優勝した。

表彰式と懇親会は同日午後6時半から、参加者と大会関係者が出席してJTAドーム宮古島で行われた。
主催者を代表してあいさつした山内忠社長は、読者に支えられて創刊周年の節目を迎えたことを挙げ、これからも「郷土に根差した確かな視点を持った新聞づくりにまい進していく」と強調。「開催日に梅雨明けとなり本当に良かった。6年ぶりの開催が盛況に終了したことは皆さんの協力のおかげ」と感謝した。
八重山毎日新聞社の黒島安隆会長が、宮古毎日新聞社のますますの発展とゴルフ愛好者らのさらなる技術向上、交流の広がりを祈念し乾杯の音頭を取った。

表彰式では、各部門の上位3位までと「ドラコン」「ニアピン」などの特別表彰も行われた。抽選会では、宮古―那覇往復航空券や大型テレビ、自転車などの豪華賞品が準備され、番号が発表されるたびに大きな歓声で盛り上がった。

同大会は本紙創刊(1955年9月日)を記念し、1998年に「宮古毎日新聞杯先島親善ゴルフ大会」としてスタート。
第6回大会から親睦をメインに誰でも参加できる大会にしようと現在の名称に変更した。