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社会・全般
2019年11月8日(金)8:56

【私見公論】中高生のライフプラン/竹井 太

 宮古島での地域医療を生業としてはや20年が過ぎようとしています。この間、大学では体験し得なかったさまざまな人生模様、特に、島民の方々との命のやり取り(医療)を通して「離島で生きること」の実像を目の当たりに体験させていただき、私の座右の銘になった「生きて活きて逝ききる」にたどりつきました。まだまだこのような境地には程遠い生活をしておりますが、このことを基本に仕事を続けているといろいろと気づくことが増えてきました。その一つが「健康に生きる」ことの大切さです。前回このコラムで「大人のライフプラン」について健康管理を絡めて書かせていただいたのもその一環です。今回は、子どもたちのこと、特に中高生のライフプランについて書くことにしました。


 皆さん、子どもたちは今、健康に過ごせていると思いますか? 自分のお子さんはどうですか?

 なかなか、難しい質問ですよね。「健康の定義」が各々で違うために答えが違ってくるのだと思っています。皆さんもご自身で健康の定義をすこし考えてみましょう。「私にとって健康とは?」が質問です。

 少しぴんなぎな私は、「健康に生きる」を「不健康に生きない」と読み替えてみました。するといろいろ見えてきました。今、子どもたちが苦しみ戦っている不健康問題(虐待、貧困、薬物、喫煙、飲酒、不登校、非行、摂食不良に伴う小児生活習慣病などなど)はその多くが、大人からの発信であることに確証を持ちました。

 例えば、タバコ。誰も幼稚園の時には吸いたいとは考えなかったですよね。でも、大きくなって、中高校生になると多感になりいろいろ興味も増えてきます。大人は、子どもたちの成長を願って自己チャレンジしなさい、興味があればなんでもやってみなさいと指導しがちです。お父さんやお母さん、大人は美味しそうにタバコを吸っている、先生も吸ってるし、なんか興味あるなあ。なんて当たり前に思いますよね。そこで興味をそそられて手を出すと、手痛いバッシングにあいます。あれ? なんでもやったらいいて言ってたよね。子どもにとったら詐欺にあったみたいですね。挙句の果てには停学、そこにタバコがなければこの子はタバコは吸わなかった。ある統計では小学生の喫煙原因は親が面白半分で吸わせたなんてこともありました。そこにタバコを置いたのはだれ? 大人がそこに置いたのです。実は大人からの健康被害なんですよね。

 例えば、子どものメタボ。生活環境(どこでも、いつでもなんでも買える)、食生活の変化、生活習慣の乱れ(夜型生活習慣の低年齢化)、食べ過ぎ、運動不足、スマホの使いすぎ…などが原因と言われていますが、この環境を与えたのはだれ? ほぼ全てが子どもたちのオリジナルの問題ではなく大人に端を発した原因です。実は子どもたちは被害者です。

 基本的に生活基盤を大人に委ねなければならない子どもたちは、大人からの影響を避けられず、子どもはその大人(親)を見て育ち、大人(親)の目を通して世の中を覗いて育たざるを得ないわけです。島の未来を語る時、未来を託す中高生には肝いりのライフプランを提供することが望まれます。前コラムでお示ししたように宮古島の大人の不健康状態(日本で1位、2位を争うほどの不健康島)を決して次世代にはつながないという強い思いと、健康に対する無関心さから卒業することが今の宮古島には求められています。今年、国連本部で開かれた気候行動サミットで16歳のグレタ・トゥンベリさん(スウェーデン)が、大人が子どもたちに残す地球の環境汚染について警鐘スピーチを行ったことをご存知でしたか? 1992年には地球環境サミットで当時12歳のセヴァン・カリス・スズキさん(カナダ)が同様にスピーチを行い大人の愚行改善を訴えました。

 悲しいかな、このように世界中の生き物で後継者に負の遺産をのこす生き物は「ヒト」だけです。宮古島ではこんなことにならないようになれればいいですね。今、宮古島では大人の責任が大きく問われています。
(うむやすみゃあす・ん診療所院長)


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