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社会・全般
2019年12月3日(火)8:59

エボラ出血熱を想定/航空機で患者搬送訓練

要員不足の課題浮き彫りに/宮古空港で初


エボラ出血熱の疑似症患者の発生を想定して搬送訓練を行う関係者=2日、宮古空港

エボラ出血熱の疑似症患者の発生を想定して搬送訓練を行う関係者=2日、宮古空港

 宮古管内におけるエボラ出血熱疑似症患者の発生を想定した訓練が2日、宮古空港内で行われた。検疫所や医療機関、保健所、消防など関係団体から約20人が参加し、MESHサポートの航空機で患者を運ぶ訓練を通して万が一の事態に備えた。訓練では要員不足の課題も浮き彫りに。感染症の暴露を防ぎつつ、患者を速やかに搬送する手順の確立が急がれる。

 今回の訓練は、4月から有人化されている那覇検疫所平良出張所が主導する形で初めて実施された。

 検疫所平良出張所や石垣出張所が管轄する港で、検疫感染症であるエボラ出血熱(一類感染症)の疑い患者が発生した場合、検疫法に基づいて沖縄本島の指定医療機関に患者を搬送、隔離しなければならない。

 エボラ出血熱はエボラウイルスによる感染症で、2~21日の潜伏期の後、突然の発熱、頭痛、倦怠(けんたい)感、筋肉痛、咽頭痛等の症状が出る。次いで嘔吐(おうと)、下痢、胸部痛、出血等の症状が現れてくる。患者の体液やその体液に汚染された物質に触れた際、ウイルスが傷口や粘膜から侵入することで感染する。現在、この感染症に根本的な治療法はない。

 訓練は、こういった感染症に暴露せず、患者を指定医療機関に搬送する手順や対応および関係機関の連携強化を目的に行われた。

 平良港に入港したクルーズ客船においてエボラ出血熱の疑似症患者が発生した状況を想定し、MESHサポートの航空機を使い、空路で搬送するまで連携と手順を綿密に確認した。

 那覇空港到着後は、現地に待機するスタッフが指定医療機関となっている琉球大学医学部附属病院に運ぶまでの訓練を行った。

 訓練参加者は、感染症防護服を着用して本番さながら訓練に当たった。疑似患者をウイルスの飛散を防ぐ搬送器具に載せたまま空路で搬送。これら一連の対応を実働の訓練で習得した。

 ただ、患者を特殊な搬送器具に載せたまま搬送する作業は容易ではなく、訓練では搬送作業に当たる要員不足を露呈した形だ。参加者は「移動する際の人数が足りていない。それが訓練の中でよく分かった」と収穫を挙げたが、課題解消の手段は今のところない。

 この点は事前の会合でも話題に上がり、疑似患者を港から空港まで運ぶ際に十分な人員を確保できていない現状を共有した。平良出張所の石井博文検疫調整官は「消防と交渉している段階にある」と答え、今後も関係機関に協力を要請していく考えを示した。


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