エタノール産業確立へ/宮古島市
キビ利活用戦略会議立ち上げ
宮古島市は26日、サトウキビから製造するバイオエタノールを使った産業の確立を目指し、「宮古島サトウキビ利活用戦略会議」を立ち上げた。同日開いた第1回会議でりゅうせきや日本アルコール産業などの民間企業ほか、宮古島の商工会議所、観光協会、青年会議所など経済界の代表に委嘱状を交付した。
宮古島では、バイオエタノールを3%混合したガソリンを利用する「E3」事業が2004年度から実施されてきた。国の実証事業で07年度には1府5省庁が連携。エタノール製造施設を拡充するなどして実用化を検討してきた。
11年度に国の実証事業が終了すると、市など関係機関は事業の成果を踏まえた社会システム化の構築を検討。「E3利用研究会」などで議論を深めた。
今回立ち上げた戦略会議では、この研究会で示された論点を整理しながらバイオエタノール産業を多角的に検討。E3およびバイオエタノール発酵残渣の有効利用などを模索する。
会議の冒頭、委員長の長濱政治副市長は「国の実証事業は終了しているが、そのまま終わらせるのではなく発展させた形で事業化を目指したい。特に残渣の利活用を工夫すればE3の普及も見えてくる。E3という資源を有効に活用していきたい」と述べ、集まった委員に協力を求めた。
この日の会議では、戦略会議の概要やE3利用研究会で議論した内容ほか今後のスケジュールを確認。年度内には一定の結論をまとめる方針だ。
委員は次の通り。
委員長=長濱政治(副市長)▽副委員長=古堅宗和(市企画政策部長)▽委員=我那覇薫(りゅうせき宮古統括支店長)下地義治(宮古島商工会議所会頭)新城武一郎(JAおきなわ宮古地区本部長)砂川玄悠(沖縄製糖専務)富重敏郎(日本アルコール産業宮古島事業所長)豊見山健児(宮古島観光協会長)長濱哲夫(宮古製糖専務)野津芳仁(宮古青年会議所理事長)