08/08
2022
Mon
旧暦:7月11日 大安 癸 
社会・全般
2008年7月20日(日)16:50

飼料、燃料高騰が直撃/宮古産も品薄の可能性 

宮古で唯一、生乳を生産する宮星牧場

人件費などを抑えるため1日の搾乳回数も減った

人件費などを抑えるため1日の搾乳回数も減った

 飼料、燃料の高騰が全国の酪農家を直撃する中、宮古で唯一、生乳を生産する宮星牧場(下里和則牧場長)も悲鳴を上げている。生産コスト増で乳価を上げざるを得ず、近い将来には消費者価格への転嫁も予想される。牧場のスタッフは「店頭から牛乳が消えるとまではいかなくても、このままでは高級品になってしまう」と不安を隠さない。
 宮古産生乳は、学校給食用の一・五㌧が優先的に確保され、残りが市場に出回っている。宮星牧場によると、一日の適正量は二・五㌧。計百頭の乳牛から一頭当たり二十五㌔ずつ生産するのが理想だ。しかし、牛の質によって搾乳量は変動する。現在は、頭数は確保しているものの乳量が二・二㌧程度まで落ち込んでいるという。今夏はスーパーなどの牛乳が品薄傾向で推移。夏休みは給食用の出荷がないため回復するが、もともと乳牛は暑さに弱く、九月以降は再び減るとみている。
 
□飼料高騰で人件費抑制
 経費増の最大要因は飼料価格の高騰だ。特に配合飼料は乳量に直結するため減らせない。同牧場では、配合飼料だけで平年に比べ月に約二十六万円増えた。このほか原油高騰に伴い、設備洗浄などに使う燃料、牛舎用扇風機や搾乳機械の電気料金も膨らむ一方だ。人件費を抑制するため、一日三回行っていた搾乳作業は、今年二月から二回に減らしたという。
 県酪農農業協同組合は今秋、高糖ソルゴーとトウモロコシを原料にした飼料を試験的に商品化する。ソルゴーの遺伝子改良研究などを行う農業生産法人を営業、技術的に支援し、高値の輸入穀物の代替飼料を流通させようとするもの。酪農の経費抑制に協力するのが狙いだ。宮星牧場も期待を寄せる。ただ、同組合は「粗飼料の受給率アップに向け生産者を刺激するのも重要な狙い」とくぎを刺した。
 
□自家繁殖の技術向上へ
 乳牛の現役世代は一般的に三回のお産までといわれる。四歳ごろをピークに、後は次第に乳量を減らし廃用牛となる。
 宮星牧場では子牛の育成技術が確立されていない。乳を出させるためには、雌のホルスタインに和牛種を掛け合わせて「F1」と呼ばれる子牛を出産させる。子牛は売却して母牛から搾乳、供給する仕組みだ。
 年に全体の二割が廃用牛となるため、若い乳牛の定期的な導入が欠かせないが、今年に入ってからの経費急騰で従来通りの導入は困難になっている。下里和則場長によると、同牧場では一昨年から昨年にかけて北海道から六十頭を導入。その後廃用牛が何頭も出ているが、導入には一頭当たり七十万円以上かかり、今後の更新は容易ではないという。
 
 下里場長は「自家繁殖にシフトする必要がある。ただし、もともと乳牛飼育に不向きな宮古の暑さでは受胎が難しい。宮古独自の増産技術を確立しなければ」と危機感を示す。
 乳価上昇は免れないという見方は、牧場、メーカーともに一致している。最小限にとどめるには、適正乳量を出荷し売れ残りを防ぐことだ。しかし、スーパーでは島外メーカーの安い牛乳が並ぶ。物価高が家計を脅かす中、消費者の心をつかむには差別化を図り強力なアピールが必要だが、元来、安価な日用飲料だけに容易ではない。
 
 下里場長は「地元の生乳は、きょう絞れば翌日には店に並んでいる。島外産に比べ新鮮さは抜群だ。栄養たっぷりで身近な飲み物の牛乳が高級品にならないよう、ぜひ宮古の牛乳を飲んでほしい」と地場乳業に理解を求めた。


カテゴリー一覧

観光関係

2022年8月6日(土)9:00
9:00

ANA就航30周年祝う/宮古島路線

大阪伊丹の復活運航開始   全日本空輸(ANA、本社・東京、井上慎一社長)の宮古島路線の就航30周年を祝う記念セレモニーが5日、宮古空港で行われた。式典にはANAの関係者や就航当時の制服を着た職員、座喜味一幸市長らも参加し、盛大に祝うとともに、関係者…

2022年8月6日(土)8:59
8:59

水上バイク事故が増加/水難事故22年上半期

宮古島署「海のレジャーに注意」   宮古島警察署(仲宗根宗信署長)は5日、2022年上半期の水難事故発生状況をまとめた。それによると発生件数は8件(事故者12人)で2人が死亡している。前年同期比で7件(同10人)増となっている。特に水上バイクの水難事…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!