「スマート農業」着々/ドローンや大型農機駆使
女性のみでキビ植え付け/島尻の豊農産
農家の高齢化が進む中、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用して省力化・精密化や高品質生産を実現する「スマート農業」が注目されている。平良島尻の農事組合法人豊農産(辺士名忠志代表)ではドローンや大型農業機械を駆使してサトウキビの栽培に取り組んでいる。
辺士名さんが力を入れているのが女性の活用。「人手不足を打開するのがスマート農業。女性でもドローンだけでなく大型機械の操作は可能」との考えだ。今期、植え付けは女性のみで作業している。
豊農産では3人の女性がサトウキビ栽培に関わっている。1人は農業用ドローンのオペレーターライセンスを取得。昨年から実用化している。ドローンでの農薬散布は、従来の動力噴霧散布と比べて、時間・労力を約8分の1に削減できる。ドローンによる散布は労力をあまり必要とせず、女性向きとも言われている。
植え付けはハーベスターで刈り取った苗を大型トラクターに取り付けたビレットプランターと呼ばれる自動植え付け機で行っている。刈り取った苗をクレーン付きのトラックから吊り上げて、ビレットプランターに投入。トラクターの操作とサポートを女性2人で行っている。運転席にタッチパネルがあり、耕運の深さ、運転速度などを設定する。設定すれば、前後進とブレーキ、ビレットプランターの上げ下げのみの操作だけで済むという。
川田勝美さん(55)と仲宗根広江さん(55)は今年から作業に携わり、慣れない部分もあるが「女性だから無理ということはない。作業は楽しい」と話した。1日で2㌶の植え付けが可能だというが、現在の2人の目標は1日1・5㌶。
辺士名さんは「高齢化や農業離れなどで人手不足は深刻になっている。機械化することで、農業は『力仕事』ではなくなる。機械やドローンの扱いはむしろ女性の方が向いている。女性の活躍の場が農業でも広がっている」と話した。