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社会・全般
2009年1月18日(日)18:12

「宮高生物クラブ」知ろう、湧水の環境実態

水生生物と水質調査から/宮古高校「生物クラブ」
 
昨年三月に「エコアイランド」を宣言した宮古島市では、大人から子どもまでその取り組みが盛ん。特に学校現場の中でも環境の体験教育が叫ばれ、実際に関わることで島の実態を知ろうとする動きが増えた。宮古高校(伊波満校長)では、理科・生物担当の北村崇明教諭が生徒たちに呼びかけ、授業の選択課目として生物クラブを発足させた。その中で生徒たちは北村教諭と共に、昨年七月から実施した咲田川の水生生物の実態調査と水質に関する研究や湧水域の環境調査などの結果をまとめた。  
 
 部員は六人。三年生の砂川大将・友利理志・平良千代実さんと、二年生の洲鎌理恵・本永明・下地瑞姫さんの三人。三年生が行った「咲田川の水生生物相と水質に関する研究」は昨年十月、工学院大学主催の全国高等学校理科・科学クラブ研究論文」で努力賞を受賞、「高校生による生物科学展」では授業の中での課題や自由研究部門で最優秀賞を受賞、十二月には筑波大学主催の「科学の芽」で奨励賞を受賞するなど、その研究内容は全国でも高く評価されている。
 
 また二年生は、昨年十月の沖縄県生徒科学賞作品展の「宮古島における湧水域の環境調査」で優良賞受賞。昨年十一月の琉球大学21世紀COEプログラム主催で国際シンポジウム「沖縄の生物と未来」でパネラーとして調査結果を発表。来月は、沖縄電力主催の「沖縄青少年科学作品展」に応募、パネル展示などで報告する予定。こうしてあらゆる場を利用して活動の範囲を広めている。北村教諭は「海だけでなく陸上の水性動物にも目を向け、今どういう環境にあるかを地元の人たちにも知ってほしい」と話し、生徒たちの活動を支援する。
 
<部員の感想>
砂川さん 宮古に住んでいながら、機会がなかったばかりに何も知らなかった。この研究で地元のことを知ることができ、また調査などで物ごとを客観的に見ることができた。
 
友利さん 最初は関心なかったが、授業の一環で入った。川があることさえ驚きだった。実際に調査してみて環境が汚れていることもわかり、実状を島の人たちにも知らせたい。
 
平良さん 小さいときから植物とかに興味があった。生き物に関してはよく知らなかったが、調査していろんな種類がいることを知った。外来種も多く、生態系が崩れないか心配。
 
洲鎌さん 調査は楽しかった。湧水の中には多くの生き物がいて、こうした生き物を守るためにも湧水を汚さないよう努めることが大事だとわかった。
 
本永さん 宮古の湧水は汚染されていることを知った。生活排水も大きな原因の一つだと思うので、機械などを使って浄化する必要があると感じた。
 
下地さん 初めて宮古にすむ水生の生き物を見た。同時に湧水が汚染されていることを知り、私たち人間がきれいにしてあげないと命にかかわると思った。
 
陸上の環境にも目を向けて
「生物クラブ」を選択課目に 指導にあたる北村教諭(38歳)
 兵庫県西宮の出身。二〇〇七年四月に宮古高校に赴任。理科の生物担当。初めての宮古島で、まず海が美しいと思った。一方で陸上が淋しいと感じる。緑地帯が少なく、畑が多い。島は大部分が石灰岩でおおわれ、雨は地下へ浸透してしまうため河川が少なく、湧水の多い地域であることがわかる。ところが、陸水生物の研究があまりなされていないことを知り、水質の問題も含めて調べてみようと思う。
 生徒たちに呼びかけたがあまり反応がなく、最初の年は休日を利用して息子と一緒に調査を始めた。調査を進める中で、やはり生徒たちに島の実態を知らせる必要があると思い、二年目には、生物クラブを選択課目として取り組むことにした。七月からは本格的に、湧水域十九カ所で水質と生物調査を始める。
 
 その結果、生物は貝類六種、甲殻類二十一種、魚類十種、両生類一種、爬虫類一種が確認できた。中でも、海岸に流れる湧水域で生物の種数が多く確認できる。最も多く確認できたのは川満のウプカー。ここはマングローブ域に流れ込む湧水のため汽水域の生物が多かった。また、外来種のテラピア類やグッピーなどが多数生息していることも確認され在来種との競合も懸念される。
 生徒たちには、自分の住む島のことをよく知ってほしいと思う。その上で、今後どうすれば良いか考える教材にしてほしいし、次の世代に伝えられる大人になってほしい。そうした意味で、多くの生徒たちがこの生物クラブに関心をもち入部することを期待している。


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