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社会・全般
2009年6月16日(火)19:15

大野山林自然散策/生き物が教える島の環境

タイムカプセルの島
 
宮古島の森林率は15年来14%といわれ、森にすむ生き物たちの生存も危ぶまれている。その中で、島で唯一のグリーンベルト大野山林は、アカギ、タブノキなどの樹木や希少植物が生育する。そこには、野鳥をはじめ、昆虫、は虫類、両生類、ほ乳類などさまざまな生き物がすみかとする。ところが近年、不法投棄や外来種と呼ばれるクジャクやヤエヤマイシガメ、ニホンイタチなどが入り込み、在来種をおびやかす現状がある。県立宮古自然の家(小浜百治所長)は、このほど親子の「大野山林自然散策」を開き、自然を観察することで貴重な生き物の保護のため何ができるかを考えた。 
 
 講師は、宮古総合実業高校の教諭・城間恒宏さんが務めた。散策を前に、宮古島の地史や生き物たちについて話した。
 ―宮古は平坦な島であまり研究の手が入っていなかった。しかし、宮古にしかいない生き物も多く、それは地史(大地の生い立ち)にもつながる。二百万年から百七十万年前は大陸とつながっていた。百七十万年から百万年前に陸橋ができたとき九州や本州との間に生き物の変化が生まれる。このころから生き残った生き物たちが実在するということはタイムカプセルの島と呼んでよい。
 
 ところが、宮古島は緑が少なくなって唯一大野山林だけがまとまった緑地帯といえる。そこには多くの生き物が生息しているが、さらにそこも危うくなってきた現状がある。まず、粗大ごみや生活ごみが捨てられている。ごみを求めて野犬や猫、カラスなどが山林に入る危険性がある。また、世話ができなくなった犬や猫を捨てる人がおり、それらは生き延びるために野鳥や昆虫などの小動物を食べてしまう。
 
 何より懸念されることは、動物や植物などの外来種が増えたこと。これは、もともとすんでいた生き物たちの生活の場や餌が奪われ数が減る心配がある。ほかにも散策路以外に入り込む人たちがいて鳥たちの繁殖をおびやかす恐れがある。みんなで、大野山林にすむ生き物や植物を守るためになにができるかを考えていきたい。
 
宮古島の指定文化財(天然記念物)
<国指定>
キンバト、カラスバト、キシノウエトカゲ、オカヤドカリ類、イイジマムシクイ。
<県指定>宮古馬、東平安名岬の隆起珊瑚礁海岸風衝(ふうしょう)植物群落、国仲御嶽の植物群落(伊良部)
<市指定>ツマグロゼミ、島尻のマングローブ林、ほか十八件。
<天然記念物とは>
 貴重な自然や生き物たちを守るため、時に数が少なく、このままでは絶滅してしまう心配のある動物や植物をみんなの宝物として保護するもの。
 
大野山林で見られる生き物たち
<鳥  類>アカショウビン、サンコウチョウ、キンバト、カラスバト、メジロなど。
<昆虫類>ミヤコニイニイ、クマゼミ、ハラボソトンボ、ベニイトトンボ、オオゴマダラ、スジグロカバマダラ、ジャコウアゲハなど。
<は虫類>サキシマキノボリトカゲ、キシノウエトカゲ、ミヤコカナヘビなど。
<両生類>ミヤコヒキガエル、ヒメアマガエル、サキシマヌマガエルなど。
<ほ乳類>ヤエヤマオオコウモリ、ジャコウネズミなど。
<外来種>クジャク、ミシシッピアカミミガメ、ヒラタクワガタ、ニホンイタチなど。


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