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社会・全般
2010年9月25日(土)15:15

中秋の月(行雲流水)

 中秋の月は天候に恵まれまさに名月だった。例年通りシーシャ(獅子)がやって来た。いつもの年だと3、4頭は来たが今年は2頭だけだった。変わらないのはどれも二本足である。かつては二人一組で前方は獅子頭後方は尻尾を分担していた


▼そしてそれぞれはいかに本物の獅子に似せるか一体となって生身の獅子を演じていた。這(は)ったり跳ねたり頭を左右に振って威嚇したり。胴体に群がるハエを尻尾でたたき落としたりと演じる動作は生きた獅子そのものでなければならなかった

▼見てくれる大人の目を意識しての獅子舞ゆえ往時の子供たちは十五夜の2、3日前から近隣相集い先輩の指導助言のもと舞いの練習に懸命に励んだ。囃子(はやし)役も声の調整に努めた。だれも手抜きなどしなかった

▼昨今街中で見かける二本足獅子の場合訪れても舞うことなく大口を開いてただ恵みを待っている。十五夜の風物詩シーシャは今や悲しくも小遣いかせぎへと様変わりしている。時勢であり子供たちに非はないはず

▼核家族化が深化し地域の風習を引き継ぐ知恵袋たる祖父母との生活接点が乏しくなっている子供たちにとってこれら風習について日常的に学び体験するきっかけを見い出すことは容易ではないからである

▼少子化と高齢化が不均衡に進んでいく今日社会にあっては先人の知恵の世代間伝承そのものも容易ではないようだ。


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