宮古人のルーツ探る/市総合博物館企画展
12~16世紀 人骨・土器など展示
第16回企画展「宮古人のルーツを探るPart1-12~16世紀の宮古-」が1日から、市総合博物館(奥平徳松館長)で開かれている。来場者らは、宮古の遺跡から出土した人骨や生活道具の土器・青磁器、食糧の残りかすなどの資料から、先祖のルーツや交易活動、食生活などについて思いをはせていた。3月6日まで。
宮古では、これまでに計26柱の人骨が出土。このうち、外間遺跡から出土した頭蓋骨の2点が今回復元され展示されている。出土人骨のデータを蓄積することで、宮古の先祖のルーツを探る手掛かりになるとしている。
12~13世紀は、宮古・八重山諸島に北から新しい文化が波及してきた時代とされる。北からの文化を示す遺物として、長崎県西彼杵半島で産出される滑石を用いた石鍋、鹿児島県徳之島で焼かれたカムィヤキ、中国産の白磁碗や青磁碗などがあり、それらの出土破片を展示。遺物は、九州の商人たちによる交易活動の活発化によって持ち込まれたものと推定されている。
一方、食生活の重要な資料を展示。外間遺跡からは16~17世紀にかけてのごみ捨て場のような穴が複数確認された。それらの穴から
牛や豚の骨のほかに、魚の仲間のベラ、ブダイ、アジ、フエフキダイの骨が出土。また数種類回収した穀物の種子を分析した結果、粟、黍、稲の種子と同定した。さらに当時は、大麦が小麦より多く栽培されていたことが分かった。
企画展の関連事業として、19日午後2時から、市総合博物館で講演会が開かれる。講師の土肥直美さん(元琉球大学准教授)が「12~16世紀の遺跡から出土する人骨の特徴」、久貝弥嗣さん(同館学芸員)が「12~16世紀の宮古-遺跡の発掘調査からみる歴史」と題してそれぞれ講演する。