マンゴーに傷目立つ/台風2号
上野では4割の実に被害も
台風2号が宮古島地方を直撃した5月28日から1週間以上が経過した現在、マンゴーのすれ傷や打撲被害が鮮明になった。各地のマンゴーハウスでは、傷のところが黒く変色した実が目立つ。本紙が取材した上野のハウスでは、4割以上の実に被害が出た。一方、被害をほとんど受けていないハウスもある。
被害の程度の違いは、ハウスの構造や台風対策によるとみられる。
上野のハウスの防風ネットの網の目の大きさは、風を比較的に通しやすい2㍉四方。横風をもろに受けた棟では2割が落下し、多くの実に傷が付いた。
一方、風の影響の少なかった奧の棟では、ほとんどの実が被害を免れた。傷は実同士や枝との衝突、葉とのこすれなどによってできる。この棟では、衝突を緩和するクッション(フルーツキャップ)も実に取り付けていた。
ハウスの持ち主の男性によると、少し傷付いた実は「優品」として出荷され「秀品」と比べ、1キロ当たり1000円程度安くなる。強い傷物は、加工用になりキロ単価は500~700円。ハウス面積80㌃の被害額は、400万円に上るとみている。
男性は「5月の強い台風は、経験がなく備えが不十分だった。今回の被害を踏まえ、対策を強化したい。暴風ネットも風を通しにくい1㍉の網目に変える」と話した。
城辺では、落下やすれ傷被害のほとんどないハウスがある。持ち主の男性によると、側面をビニールで覆い、横風を通さなくしたという。設計は、強い台風に耐えるよう、頑丈な骨組み構造にしている。