「万全の態勢」と容認/PAC3宮古到着
「戦争思い出させる」/地元、賛否両論
北朝鮮の弾道ミサイル発射実験とみられる「衛星」の打ち上げに対し、本州から宮古島に移送された地対空誘導弾パトリオット(PAC3)。3日夕、PAC3を積み込んだ輸送艦が到着した平良港下崎埠頭では、市民団体らが抗議集会を開催し「自衛隊はいらない」と声を張り上げた。市民の間には「戦争を思い出させる」と抗議に同調する一方、「万が一に備えて万全の態勢を整えるべきだ」などと容認する言葉も聞かれた。
戦後、城辺から上野に嫁入りしたという女性(83)は「また上(航空自衛隊宮古島分屯基地の辺り)が騒がしくなると、昔のことを思い出して不安になる。今の自衛隊は地域に協力的だし、良いとか悪いとか普段はあまり感じないけど、こんなときはやっぱり考えてしまうね」と不安そうだった。
伊良部に住む無職の男性(61)は「北朝鮮はどういう国か分からないので、万全の態勢を整えるべきだ」とPAC3の配備を容認。その上で「ミサイル発射予定の12~16日は外出は控える。トライアスロン大会への影響と観光客のキャンセルで宮古の経済に影響が出ないように願うだけ」と語った。
「PAC3配備の目的は、住民の生命と財産を守るというだけのこと。反対する理由はない」(平良、団体職員男性、58歳)、「ミサイルが飛んできたら、地上に落下しないよう迅速、適切な対応をお願いする」(平良、会社員男性、62歳)との意見もあった。
農業の男性(87)はPAC3の宮古島配備は「戦争を思い出させる」、伊良部に住む漁師(62)は「一両日中に漁師たちを集めて対応策を考えたい」と話した。