島の活性、振興で意見交わす/8人の住民が取り組み発表
しまのゆんたくin宮古島開催
島の活性化や振興策について、キーパーソンとなる地域住民や有識者アドバイザー、行政担当者らで意見を交わす対話集会「しまのゆんたくin宮古島」(主催・内閣府沖縄総合事務局)が3日、平良港ターミナルビルで開かれた。8人のキーパーソンが自身が取り組む事業を説明するとともに今後の目標や市が抱える課題や問題点などについてアドバイザーらと意見を交わした。
同集会は、総合事務局の職員らが県内市町村に出向き、地域住民らと対話をすることで地域活性化の糸口を探すことなどを目的に開催するもので、その初回が今回、宮古島で開催された。
キーパーソンとしては宮古島商工会議所の砂川恵助専務理事、宮古島観光協会の砂川靖夫副会長、宮古青年会議所の濱元雅浩第49代理事長、みやこ福祉会の伊志嶺博司理事長、エコピットの下地隆之役員、東和の新城浩司常務、NPO美ぎ島宮古島の新村一広事務局長、ありんこ文庫の池城かおり運営代表の8人が、アドバイザーとしては日本良品貿易の中島義和社長、カルティベイトの開梨香社長、沖縄国際大学の前泊博盛教授の3人が参加した。
キーパーソンのうち、砂川恵助氏は宮古島で取り組まれてきたさまざまな実証実験がビジネスと結び付いてないことを問題点として指摘。砂川靖夫氏は宮古島で大規模イベントを開催する際、機材の輸送費などが高額となることが開催のハードルとなるケースがあるとの考えを示した。
濱元氏は宮古島のエコを考える上で水が重要との考えを表明。その一つとして西里通りの下水問題を挙げ、「水と緑を中心にしたまちづくりを考えるべき」と訴えた。伊志嶺氏は障害者の就労施設として植物工場を立ち上げたことを説明するとともに将来的には日本のトップレベルの技術を導入した植物工場を取り入れ、産業としての農業で地域活性化につなげる構想を語った。
下地氏は電気とガソリンで走るハイブリッド車を改造し、燃費を向上させるためLPガスも燃料として使えるトリプルハイブリッド車とする事業を展開していて、輸送コストが掛かる島外からも多数の注文があることを紹介。「新しく発信できる価値の高いものづくりをしていきたい」と語った。新城氏は2009年から電気自動車の取り扱いを始め、現在では島内で50台が走行している現状を示し、今後は災害時の電源としての位置付けでも電気自動車をPRしていく考えを示した。
新村氏は、オニヒトデ駆除やサンゴの実態調査などをNPOで行っていること、NPOを立ち上げた理由は「20年前の海に戻したい」との思いからだったと説明。池城氏は、市が取り組んできたエコに関する実証実験について、市民一人一人が具体的に説明できる社会を目指すべきとの考えを語った。
アドバイザーの中島氏はエコ関連実証実験のビジネス化について「宮古での実証のノウハウをどこが求めているのか調査をすべき」と指摘するとともに、国内よりもアジアでのニーズが高いとの考えを示した。前泊氏は自然の保全と観光振興の両立を考える場合、受け入れ可能な限界人数を調査し入域客数をセーブすることで自然を守る必要があると主張。開氏は「宮古島で一番の資源は人」とした上で、地域の活性や振興、保全には中心となって取り組む地元住民をつくることが必要との思いを述べた。