戦争体験証言を映像化/復帰40周年記念
きょうから博物館で報告展/「子や孫へ平和のウムイ事業」
県平和祈念資料館が昨年度から実施している、戦争の記憶を語り継ぐ取り組み「子や孫につなぐ平和のウムイ事業」の成果報告展がきょう13日から、市総合博物館で開幕する。会期は19日までで、宮古島在住、出身者11人を含む35人の戦争体験証言が映像とパネルで紹介されている。12日には平和祈念資料館の担当職員らが市総合博物館で会見を開き、展示内容などを発表した。
同事業は、復帰40周年記念事業の一環として2012、13年度の2年間で実施。12年度では戦争体験者が家族に体験を語る「家族に語り継ぐ平和のウムイ事業」で300件を撮影し、編集も完了させたほか、「戦争体験証言収録事業」で50件の証言を収録し、現在編集作業を行っている。「平和のウムイ事業」300件のうち18件は宮古島在住者、3件は宮古島出身者の証言。
宮古島など県内7カ所で実施される成果報告展では、「平和のウムイ事業」で撮影された証言の一部を紹介する。宮古島では宮古島在住、出身者11人を含む35人分の証言映像を上映すると同時に、一人一人の証言内容をまとめたパネルを展示する。証言者本人や家族、知人などからの要望があれば、35人以外の証言者の映像を見ることもできる。
会見には平和祈念資料館の真栄平房佳主査と比嘉正樹主査、市総合博物館の下里典子館長が出席。真栄平主査は「(戦争について)しっかり検証してもらうための家族に語る映像。ぜひ家族そろって見に来てほしい」、比嘉主査は「ぜひ若い人に見てほしい。戦争の悲惨さを知ることで、現在の平和の尊さが実感できると思う」、下里館長は「高齢化により伝える人がいなくなりつつある。後世に残し、風化させないためにも、平和の尊さを心に留めながら展示を見に来てもらいたい」とそれぞれ語った。
成果報告展は入場無料。開館時間は午前9時から午後4時30分。18日は休館。