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社会・全般
2014年4月9日(水)9:00

「津波よけて」と祈り/城辺砂川でナーパイ

神歌とクイチャー奉納


クイチャーを踊りながら津波よけの祈りを捧げる女性=8日、城辺砂川

クイチャーを踊りながら津波よけの祈りを捧げる女性=8日、城辺砂川

 津波よけを願う城辺砂川の伝統祭祀「ナーパイ」が8日、同地区の上比屋(ウイピャー)山とその周辺で行われた。女性は厳かな雰囲気の中で神歌を奉納。ダティフ(ダンチクと呼ばれている竹に似た植物)の棒を立てて回り、「津波をよけて」と祈願した。男たちは船こぎの模倣儀礼で津波よけと五穀豊穣、航海安全の祈りを捧げた。


 上比屋山にあるマイウイピャームトゥに集まった女性たちは、準備が整うと祭場の中で直立し、手を叩きながら神歌を歌った。
 その後、1列になって移動を開始。ゆっくりと山を下りながら定められた場所にダティフを立て、その場所よりも波が上がってこないように願いを込めた。

 海が近付くとクイチャーを奉納した。輪になって踊り、津波よけと同時に五穀豊穣への祈りを捧げた。
 マイウイピャームトゥに残った男たちは船をこぐ真似をして津波がこの地を襲わないように願った。

 今年のナーパイ行事を仕切った砂川自治会役員の上里友良さんは「ナーパイはわれわれ住民にとって非常に重要な祭祀。ずっと守り続けたい」と話した。
 一方で、年月とともに薄れていく地域住民の関心の低さに危機感を持っていると話す。

「女性の参加が少ないことが心配。今のままではこの祭祀を継続していくことが難しくなる。これは地域全体で考えなければならない大きな問題だ」と懸念。その上で「ナーパイは絶対になくせない。地域住民をはじめ、かつては参加していた城辺の保良や上野の新里の皆さんにも協力をお願いしていきたい」などと語り、伝統祭祀の継承に強い意欲を示した。

 ナーパイは毎年旧暦3月の最初の酉の日に行われる伝統祭祀。起源ははっきりしていないが、1771年の明和の大津波より前からあったという説もある。砂川自治会によると、かつては南岸の上野新里や上野宮国、城辺保良の住民も参加していたという。



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