手を合わせ先祖迎える/旧盆入り
親戚集まり「ンカイ」/ご馳走供え健康願う
旧盆(ストゥガツ)初日の8日、各家庭では先祖の霊を後世から迎える「ンカイ(迎え)」が行われた。家族や親戚などが集まり、果物やご馳走を供えた仏壇に手を合わせて子孫繁栄と無病息災を祈った。旧盆2日目は「ナカビ」と呼ばれ、3日目の「ウフイユー」では紙銭(かびじん)を焼いて先祖を後生に送り出す。
城辺比嘉の奥平寛さん(79)宅では、沖縄本島や本土から孫や親戚が集まり、線香をたき先祖を迎えた。
仏壇にはパイナップルやスイカのほか、奥平さんの畑で収穫したマンゴー、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツなどの果物も並べた。
奥平さんは「この年齢になるまで、農作業ができるのは先祖のおかげ。畑で取れた果物を供え、収穫の喜びを分かち合っている」と話した。
午後8時すぎに家族、親戚らが勢ぞろい。寛さんの妻直子さん(76)がつくった大皿いっぱいのサタパンビンや煮付けを前に仏壇に全員で手を合わせた。
奥平さんは「今日あるのも先祖のおかげ。親不孝をして成功する人はいない。先祖を大事にすることは自分を大事にすることと同じ。子や孫たちには旧盆のたびにそう言っている」と語った。
孫で大学生の照屋俊さん(21)は2カ月前から航空券を予約していたという。「先祖の神様を迎えて親戚が一堂にそろう旧盆は特別です」と話した。
旧盆は旧暦7月13日から15日に行う祖霊祭り。3日間にわたり、仏壇に供え物をして先祖の霊をもてなす習わしとなっている。