米寿を盛大に祝う/西原地区
本村貞夫・梅夫婦 親せき、住民ら招き
縁起の良い日とされる旧8月8日に当たる1日、宮古の各地で数え88歳の米寿祝いが行われた。このうち平良西原地区では、本村貞夫・梅夫婦が、1827(明治7)年に西原村として分村・村立した以来、夫婦では2組目の米寿を迎え、親せきや住民らを招いて盛大に祝った。
沖縄では一般的に「トーカチ祝い」と称される長寿祝いの一つ。西原方言では「ヤシツヤーツ・ユーイ(88歳祝い)」と呼ばれている。
トーカチは、「とかき」のことで漢字で「斗掻」と書く。トーカチは、昔升で米などを量る時に、盛り上がった部分を平らにならすのに使う短い棒のこと。米寿祝いでは、祝いに訪れた来客に竹製の斗掻をプレゼントしているが、その由来ははっきりしない。
分村当時の西原村は、池間島の池間村から戸、佐良浜から15戸が移住し、受け入れ地の細竹部落の2戸の計戸で村立したとされる。
本村貞夫さんの先祖は佐良浜からの移住家族で、本村さんは4代目。旧姓の苗字は譜久村で、移住を機に本村に改名したという。
西原みどり会の仲間忠会長は「西原村が分村して誕生してから、夫婦で米寿を迎えられたのは本村夫婦が2組目。心からお慶びを申し上げ、会員一同であやかりたい」と述べ、祝詞賞状と金一封を贈った。
本村さんは「夫婦で米寿を迎えたのは家族や地域住民のおかげ。とてもうれしい」と感謝の意を表した。
長男の貞和さん(50)は「移住した漁師の先祖からずっと漁師を引き継いでおり、私で5代目。漁師は誇り。これからも両親は、健康が一番、美しい心が一番で長生きしてほしい」と笑顔で語った。夫婦の子供8人、孫14人、ひ孫15人。