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環境・エコ 観光関係
2022年8月21日(日)9:00

サンゴの白化広がる/宮古島周辺沿岸

水深2~4メートルで顕著に/高海水温長期化で拡大も

 

狩俣西側沿岸の水深3メートル付近で撮影された水中写真には白化したサンゴが多く見られた=9日、狩俣西側沿岸(写真提供・市海業センター)

狩俣西側沿岸の水深3メートル付近で撮影された水中写真には白化したサンゴが多く見られた=9日、狩俣西側沿岸(写真提供・市海業センター)

宮古島周辺沿岸の一部で海水温の上昇が原因とみられるサンゴの白化現象が、8月に入り目立ち始めている。特に観光客がシュノーケリングなどで楽しむ水深2~4メートルほどの場所で白化が進んでいる。今後も高海水温が継続すると、さらに白化が進んで多くのサンゴが死滅することになるという。例年よりも暑い今年の夏は、島にとって貴重な観光資源を大量に失いかねない状況となっていることから、各方面で不安の声が広がっている。

市海業センターの島田剛主任技師によると、8月に入ってから狩俣の海岸沿いや上野地区の海岸で比較的浅い場所のサンゴが白化しているとの情報が漁業者などから寄せられたという。

島田さんが9日に狩俣西側沿岸の状況を確認したところ、2~4メートルの浅い水深で多くのサンゴの白化を確認した。

島田さんは「今月から本格的に白化が進んできている。今年の夏の暑さと晴れの日が続いていることで、長い日照による表面海水温の上昇に起因していると思う」と述べた。

早急に海水温を下げるには、台風が接近して海が荒れることにより、水深の深い部分にある水温の低い海水や外海の海水が沿岸に入り込むことが効果的だという。

島田さんは「あまりにも強い台風が直撃して海が激しく荒れると物理的にサンゴが壊れてしまうので、できればそれほど大きくない台風が接近して海水をかき回してくれることが理想。撮影した9日以降も台風接近はなく、高水温の状況が続いていることから、さらに被害は拡大している可能性も十分にある」と不安を募らせた。

世界各地でサンゴの大規模な白化が確認された2016年のエルニーニョ現象で、宮古のサンゴも当時、大きな影響を受けた。

今回撮影された場所も当時、ほとんどのサンゴが死滅した場所で、9日の撮影時に白化しているサンゴはその後に成長してきたものだという。

現状における宮古沿岸の白化状況は、2~4メートルで目立ち5~6メートルでは、少し白くなったものもあれば影響がないサンゴもあるという。一方で、7メートルより深い水深のサンゴには影響は出ていないという。

島田さんは「このまま高水温の状況が続くとすでに白化している2~4メートル付近のサンゴは死滅してしまうほか、さらに深い水深のサンゴにも影響が出てくる。また、死滅しなくてもその回復にはかなりの時間がかかるので、観光面にもダメージを与えかねない」と警鐘を鳴らした。


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