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社会・全般
2023年11月2日(木)8:59

心開いた対応で信頼築く/藍綬褒章(更生保護功績・保護司)

川満忍さん(74歳)(市伊良部前里添)

 

藍綬褒章した川満さん

藍綬褒章した川満さん

政府は2日付で2023年秋の褒章受章者を発表した。受章者は全国で710人。県内では8人が受章。宮古関係では保護司で宮古保護区保護司会の副会長を務めた川満忍さん(74)=市伊良部前里添=が更生保護功績で藍綬褒章を受章した。

「心を開いて対応することで信頼関係が深まる」。保護司の活動を始めて20年以上が経った。「受章は身に余る光栄」と話し、行政や保護司会、家族への感謝の言葉を並べる。

活動のきっかけは町役場に勤めていた同期生の友人に誘われたこと。「やってみないかと言われたが、保護司のことは何も分からなかった。友人から罪を犯した人の更生を手伝うことだと説明された。こういう仕事もあるのかと興味が湧いた。友人からの依頼でもあるし、断れないからね、やってみようと」と振り返る。以来、保護観察中の多くの対象者を温かい気持ちで支えてきた。

対象者とは月2回の面接が基本。面接から面接までの2週間の生活の様子を聞き取り、気がかりなことがあれば、適切にアドバイスする。「家庭環境も持っている能力も一人一人違うから、対応は難しい」と話す。

活動を始めた頃は観察期間中の順守事項を伝えることに重きを置いていたというが、次第に変わっていった。「不幸にして犯罪や非行に陥った対象者は犯罪の種類や年齢、性別、思考も千差万別。そのため対応も変化せざるを得ない。大切なことは面接で信頼関係を築くこと。上から目線ではなく、心を開いて対応することで相手も心を開くことになり、信頼関係が深まる」と考える。

対象者が更生し、結婚したり、子供ができたりという話を聞く機会も多々あり、「とてもうれしい」と頬が緩む。「今後も対象者が更生し、社会の一員として復帰する手伝いに寄与したい」と、まだ気力は十分だ。

川満 忍さん(かわみつ・しのぶ) 1949(昭和24)年生まれ。市伊良部出身。県立学校の事務職員として勤務し、2010年宮古高校事務長で定年退職。02年に保護司となり、16年から20年まで宮古保護区保護司会副会長。他に宮古島人権擁護委員協議会会長を歴任した。


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