観光客から「協力金」/保良自治会
東平安名崎の保全に充当/宮古では初の取り組み
城辺の保良自治会(砂川春美会長)は21日から、東平安名崎を訪れた観光客に「入場協力金」を求める自治会独自の制度を開始した。支払いは任意で300円以上。市や国の許可を得て、納入機器とプレハブ小屋を設置した。集まった協力金は漂着ごみの清掃活動など同岬の整備・保護・保全の費用に充てる。自治会としては市内初の取り組み。
自治会役員らが25日、会見を開き、運用開始を報告した。来年1月18日には、オープニングセレモニーを開催する予定。砂川会長は「清掃活動のため、任意で協力を求めている。観光地のモデルケースになればうれしい」と期待した。
清掃活動以外にも天然記念物「テンノウメ」の群生地の保護や、1・8㌔に渡る道路両側にテッポウユリの植栽にも取り組む。マムヤの墓の保全や御嶽(うたき)の整備も実施する。
運用には当たっては、久高島や屋久島(鹿児島県)での協力金制度に携わる「テクノ・スクエア」と業務提携した。協力金は同社が管理し、清掃費用などを出すほか、利益の一部は自治会に納める。
協力金は現金だけでなく、QRコード決済にも対応。機器は駐車場から灯台に向かう入り口に設置されている。来訪者の75%が納入することを見込んでおり、21、22の2日間だけで約8万円が納入されたという。
保良漁港の海岸は、冬場に漂着ごみが多い地域。清掃活動は主に地元住民が行い、雇用や経済活性化につなげたい考え。
同岬はススキやアダンの繁殖が拡大し、見晴らしの良い景観が変わり、テンノウメの群生地も浸食されているという。今後、国の許可を得た上で、枝の切り落としなどを進める。
保良自治会は、7月に座喜味市長に協力を要請。座喜味市長は「試行的、モデル的に実施してみたらどうか」と理解を示していた。