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社会・全般
2022年2月26日(土)8:59

宮古馬研究で最優秀/増田さん(荷川取牧場)

計画交配へ貴重な資料」/日本ウマ科学学術集会で発表

 

大城教育長(左)に最優秀発表賞の受賞を報告した増田さん(左から2人目)。右は宮古馬保存会の長濱幸男さんと、荷川取牧場の牧場主・荷川取明弘さん(右から2人目)=25日、市役所

大城教育長(左)に最優秀発表賞の受賞を報告した増田さん(左から2人目)。右は宮古馬保存会の長濱幸男さんと、荷川取牧場の牧場主・荷川取明弘さん(右から2人目)=25日、市役所

昨年12月に行われた日本ウマ科学会の第34回学術集会で、近親交配を避けるために宮古馬の家系情報の再構築を目指した研究内容を発表した荷川取牧場のスタッフ・増田未央子さん(東京都出身)が最優秀発表賞に輝いた。25日には市役所に大城裕子教育長を訪ねて喜びの報告を行った。大城教育長は「今回の研究結果は今後の計画交配を進める上で貴重な資料になる」と感謝した。

以前、モンゴル農業大学で野生化では絶滅していた野生馬の「モウコノウマ」の研究をしていた増田さんは、宮古馬の厳しい現状を危惧して数年前から宮古に移り住んで同牧場のスタッフとしてその飼養と研究に取り組んできた。

今回の発表は、以前に岐阜大学がまとめた近親交配を回避する必要性を訴える論文や、2019年と20年の採取血液などを用いて、そのサンプルからDNAを採取し遺伝型を決定。個体識別および親子関係の再構築を図った内容。

親子判定の際には、十勝牧場で飼育されている個体を除く現存の51頭(宮古には48頭)のうち、2頭が親の遺伝子を確認できなかったが、本紙で紹介された過去の記事や聞き取り調査で1頭は親を推測することができたとしている。

飼養管理者の減少なども影響してか、近親交配が進み遺伝的多様性が減少してきていることを指摘する増田さんは「これまでの集団放牧による自然交配では父親の判定が困難だったが、今回の研究結果でできる限り遠縁同士での掛け合わせができる。市の支援も仰ぎながらより健全な宮古馬の増頭を図りたい」と話した。

大城教育長は「私は宮古馬保存会の会長でもあり、今回の研究成果はとてもありがたい。日ごろ29頭の宮古馬を飼育している荷川取牧場には感謝しかない。すでに100頭を目標に交配計画を立てていて、それを具体的に進めていく上で重要な研究結果」と話した。

さらに「市としてもサポートできる体制を充実させるために、来年度から人員を2人増員して一緒に飼養ができるような形を整えたい。交配に関してもしっかりと頭数の増加を図っていきたいので、これからの計画交配に力を貸してほしい」と呼び掛けた。


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