07/11
2025
Fri
旧暦:6月16日 先負 庚 
社会・全般
2020年3月3日(火)8:54

【行雲流水】(優しい語り手)

 2018年ノーベル文学賞を受賞したポーランドの作家オルガ・トカルチュクの記念講演「優しい語り手」が公開された

▼あなたがまだ生まれていないから寂しかったの。あなたを恋しがっていたのよ」。「まだ生まれてないのに、どうして、私が恋しかったの」。母は答えた。「もし、誰かを恋しく思うなら、その誰かは、もういるのよ」―母は私が生まれる前から私をこの世に存在させてくれていた―

▼この会話の記憶が、話し手の一生を支えたという。豊かな感性と想像力をもち、思いやりと共感を体現する作者の原点である

▼作者は語る。知識を得ることは人類の進歩をもたらすと考えられてきた。しかし高度情報化社会のもたらしたものは、団結と普及と解放の代わりに、差別化と分断と、排他主義である。私たちは見逃している。世界が事物と出来事の集積になりつつあることを。生命のない空間になりつつあることを

▼私たちに必要なものは、私(一人称)やあなた(二人称)、彼(三人称)ではなく、四人称とも言える普遍的な優しさである。優しさは、関係するすべてに人格を与える技術、共感する技術である。それは世界を命ある、生きている、結び合い協力し合うものにする

▼現今の気候と政治の危機は、経済と社会と世界観による結果である。欲深さ、自然への敬意の欠如、エゴイズム、想像力の欠如、きりのない競争、責任感の欠如―こういったことが、世界を細かく切断し、使い捨て、破壊しうる、ただの物のレベルに引き下げている。(空)


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2025年7月8日(火)9:00
9:00

フレーム切手の販売開始

宮古の風景や「まもる君」使用/郵便局   日本郵便沖縄支社(那覇市、金城努支社長)は7日、交通安全を願ったオリジナルフレーム切手を販売開始した。夏の観光シーズンを前に、安全運転で観光を楽しめるよう宮古島地区交通安全協会と協力して作成。色鮮やかな宮古島…

2025年7月5日(土)9:00
9:00

水難、交通事故注意を

外国人観光客に啓発活動/宮古島署など   宮古島署、宮古島海上保安部、市、宮古島地方気象台は3日、下地島空港で「水難事故および交通事故防止」の啓発活動を合同で行った。韓国と香港からの到着便に合わせ、署員や職員がパンフレットなどを配布し事故防止を訴えた…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!