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2020年6月20日(土)8:58

スツウプナカで繁栄願う/多良間

4カ所の祭場で神事/新型コロナで規模縮小


祭場でシュリ魚を供え神に祈りをささげるブシャ座と老人座のメンバー=18日、多良間塩川

祭場でシュリ魚を供え神に祈りをささげるブシャ座と老人座のメンバー=18日、多良間塩川

 【多良間】竜宮の神へ五穀豊穣(ほうじょう)と集落の繁栄を感謝し、向こう一年間の豊作と豊漁を祈願する多良間島の伝統行事「スツウプナカ」が18日、「パイジュニ」など村内4カ所の祭場で行われた。今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、規模を縮小し初日の暁の願い(アカツキノニガイ)のみが執り行われ、神酒を作るブシャ座のメンバーらがシュリ魚を神にささげ、豊作や繁栄を願った。

 スツウプナカは、八月踊りと並ぶ島最大のイベント。1983年に多良間村の無形民俗文化財に指定されており、ナガシガーシュニ(長瀬川宗根)、フダヤーシュニ(札屋宗根)、パイジュニ(南宗根)、アレーキシュニ(新池宗根)の4祭場で行われる。

 各祭場にはそれぞれ役割の座があり、60代以上の老人座、50代の中老座を中心とした祭祀(さいし)運営をつかさどる幹人座、供え物など料理をするクバン座、祭祀用の魚類を捕るイム(海)座で構成されている。

 このうち字塩川のパイジュニでは中老座のある大木公民館に午後9時半ごろにブシャ座が集合。供え物を確認し、ブシャ座と老人座のメンバーが数カ所の祭場で祈りをささげた。例年なら神歌(ニィリ)を歌い、角盃に注がれた神酒が座に回され「ヤッカ、ヤッカ」のはやし歌とともに飲み干す光景が見られるが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で行われなかった。

 ブシャ座で年関わってきた比嘉清作さんは「(規模を縮小しての実施は)初めてのことで経験が無いため先輩たちと相談して進めてきた。規模縮小となったが暁の願いだけでもできてよかった。神に豊作を感謝し、さらなる豊作と集落の繁栄を願う大事な行事。後輩にも伝えていきたい」と話した。


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