年間に牛200頭が死亡/多良間
一般質問で村の対策ただす
【多良間】多良間村議会(西平幹議長)12月定例会は14日、一般質問が行われた。豊見城玄淳氏は、年間に200頭程度の牛が死亡している問題を取り上げ、これが生活環境を損ねる不法投棄に結びついていると指摘。防止対策や死骸処理方法をただしたのに対し、下地昌明村長は、死亡の主な要因となっている下痢や肺炎の予防強化を農家に求め、処理方法は焼却が望ましいと考えを示した。
宮古郡農業共済組合によると、家畜共済を引き受けた牛に占める死亡牛の2010年度の比率は4・126%で、宮古島市の2・732%を1・394ポイント上回った。多良間村では同組合が共済を引き受けた5598頭のうち、231頭が死亡した。
答弁で羽地直樹村づくり課長は、年間の死亡牛は1回の競りに上場する牛の頭数に相当し、損害額は6000万円に上ると試算を示した。
下地村長は下痢や肺炎の予防策として、生後3カ月までのワクチン投与が効果的と説明。その上で、村のワクチン補助を活用して、接種率を高め死亡率を低くするよう求めた。
死亡牛の処理に関し下地村長は、産業廃棄物である死亡牛を宮古島に輸送して処理すると費用が高く付くので、難しいと見解を示した。その上で島内処理の場合、埋設は地下水汚染の恐れがあることから、焼却が望ましいとの考えを示した。
豊見城議員は、死亡牛が原野や海浜に捨てられる不法投棄も多く見られると指摘。これに池城三千雄住民福祉課長は「産業廃棄物は農家が自らの責任で適正処理することだが、農家の力だけでは限度があるので、村としても検討しなければならない」と述べた。
この日の一般質問には豊見城氏のほかに本村健次氏、西筋米吉氏、嘉手苅光徳氏、羽地隆憲氏、森山実夫氏が登壇した。