安全・良質な水の供給へ/宮古島市
水道事業の将来像策定/19年度まで、事業費71億円
宮古島市は、水道事業施設などの整備計画「宮古島市水道ビジョン」を策定。下地敏彦市長らは26日、市役所平良庁舎で会見を開きその内容を発表した。同ビジョンでは水道事業の将来像として▽安全・良質な水道水の供給▽安定した水道の構築-などの6項目を掲げ、それを踏まえた目標と、具体的施策を策定。ビジョン計画期間は2019年度までで、目標達成に向け年度から施策に取り組む。19年度までの概算事業費は71億5400万円。
市では05年の市町村合併時に第1次市総合計画を策定し水道事業の基本方針を策定したが、今回、約1年をかけて現状の分析、評価を行い、今年10月に同ビジョンを取りまとめた。
市水道事業の将来像は①安全・良質な水道水の供給②安定した水道の構築③災害に強い水道の構築④持続可能な水道の構築⑤信頼のある水道の構築⑥環境に配慮した水道の構築-の6項目で、それぞれの将来像に2~6つの目標を設定。その目標を達成するため具体的施策として、計画期間に実施するものと、それ以降も長期的に取り組むものを定めた。
計画期間に実施する施策としては、水質の危機管理体制整備のための水安全計画による水質危機管理マニュアルの構築、代替水源確保のための水需要に合わせた新水源の開発の検討、配水貯留能力向上のための主要配水池の耐震化など。長期施策としては、配水機能安定化のための老朽管の更新と配水管の設置、緊急時に対するバックアップ体制の充実のための危機管理マニュアルの定期的な見直しと訓練の実施、財政面安定化のための水道料金体系や財政収支の見直しなどを上げている。
新水源の開発では、宮古島で新たに開発する水源の水を袖山浄水場で処理し、伊良部大橋を通じて伊良部島に送水すること、老朽管の更新では取り替える際に耐震管へ切り替えていくことなども計画している。
計画期間の概算事業費総額は71億5400万円で、そのうち市の単独事業費は37億4600万円、補助事業費は34億800万円。
下地市長は「市民が安く、良質で、安心して使える水を供給するために水道整備を具体的にどうするかをビジョンでまとめた。これまでの計画は継続しながら、取り組んでいきたい」、譜久村基嗣上下水道部長は「素晴らしいビジョンができた。これに沿った施策を行い、市民においしい水を安く供給できるよう頑張りたい」と語った。