書の道追求に決意/第32回全宮古書道展表彰式
大賞受賞者らに賞状/書心会、本社主催
書道関係者や受賞者の家族らが見守る中、大賞や準大賞、市長賞、議長賞、文化協会長賞、JTA賞、宮古テレビ賞など各賞受賞者一人一人が壇上に上がり、それぞれの贈呈者から賞状などを受け取った。
主催者を代表して宮古毎日新聞社の平良覚社長は「書は日本人が育てた偉大な文化であり、この伝統を守り続けなければならない」と呼び掛け。応募作品を一点も漏らすことなく展示したことを紹介し「子や孫の作品を改めて鑑賞したり、知り合いの作品に見ほれたりする光景は主催者として誠に喜ばしく、今後とも書道展を継続していく決意である」とあいさつした。
祝辞で下地敏彦市長は、山本周五郎の小説の一節を引用し「他人を思いやる温かい気持ちにならないと、人に訴える文字は書けない」と述べ、優しい気持ちを持ち、書の道に励んでほしいと呼び掛けた。
日本習字教育財団の甲地史昌理事長(代読・葛西良昭沖縄書道会館長)は「これからも自信を持って素晴らしい作品を書いてほしい。今後とも書く楽しみを忘れず、ますますの研さんを期待している」と励ました。
書心会の天久宏会長(審査委員長)は講評で「昨年に比べ名前や落款が申し分ない」と年々レベルが向上していることを強調。「書道で培った集中力、根性、精神力を持って急がず、休まずの気持ちを忘れることなく勉学や書道に頑張ってほしい」とさらなる精進を期待した。
天久会長は展示会の様子も紹介し、宮古特別支援学校卒業生の作品の完成度が高かったことや、最高齢90歳の仲本勇光さんの作品「千文字」は「圧巻だった」とたたえた。
全宮古書道展は、作品発表の場を設け心技の向上を図り、書道教育の発展に寄与することを目的に毎年開催されている。
今年は、児童や生徒、一般、高齢者から多くの作品が寄せられた。展示会は8月16~18日までの3日間、市中央公民館で行われた。
会場には3歳~90歳までの入賞作品(秀墨賞や特別賞など)計1057点が展示された。期間中、延べ1610人の市民が来場し作品を鑑賞した。