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2010年9月20日(月)0:27

ローカル色を大きなパワーに読者座談会/新聞に何を求めるか

ローカル色を大きなパワーに読者座談会/新聞に何を求めるか
▽座談会出席者
■上地 慶彦さん(元宮古島上水道企業長)「方言の解説コーナーを」
渡久山和子さん(デザイナー)「小さな情報も大切に」
下地 暁さん(アイランダーアーティスト)「島へのこだわり大事」
濱元 雅浩さん(宮古青年会議所理事長)「問題もっと掘り下げて」
小山 恵古さん(宮古島商工会議所職員)「地元料理の紹介ほしい」
与那覇 修寛さん(宮古高校3年生)「宮古ならではの記事を」



上地 慶彦さん(元宮古島上水道企業長)「方言の解説コーナーを」

上地 慶彦さん(元宮古島上水道企業長)「方言の解説コーナーを」


-新聞を生活にどう役立てていますか?
上地 新聞は地元紙と県紙の2紙を購読している。上水道企業団にいたころは、予算や決算などを紙面で紹介してもらい市民に情報提供したりして役立てた。退職後は、自分の考えを投稿したりして身近に感じる。 
渡久山 新聞は空気のようなもので必要不可欠。毎朝、身近な話題を読むのが楽しみ。 
下地 地元の情報はすべて新聞で入手しており、必要不可欠なもの。私は音楽活動をしていることから、新聞などを通して内外へ情報を発信したりして いる。
濱元 宮古島市の行政の動きや、各地域で何が行われているかを知ることができる情報収集源。 
小山 地元紙は知っている人が登場したり新しい店が紹介されたりして、とても身近に感じる。 東京にいたころは、新聞をあまり読まなかった。でも、宮古島に来てからは全部目を通すようになった。全国的なニュースは情報が薄いという感じはするが、宮古島に住んでいるということで、島のニュースはとても興味がある。
与那覇 チャリティーフェスタRUNは、内外に自慢できるイベントと思っていた。しかし、今年7回目の開催だったが、意外に知られておらずショックだった。このイベントは先輩から引き継いだ。多くの宮古島の人たちに知ってもらえるようにと、ちょっとしたことでも報道してもらえないかと新聞社やテレビには取材を申し込んだ。地元紙はそんな私たちの活動を報道してくれた。そのおかげでたくさんの人たちに私たちのイベントを知ってもらえた。




渡久山和子(デザイナー)「小さな情報も大切に」

渡久山和子(デザイナー)「小さな情報も大切に」


-最近、気になったり興味があった新聞記事は?
渡久山 新しくなった宮古神社で琉装の結婚式が行われたと報じられていて、とても興味深く読んだ。
仕事柄、宮古の伝統織の宮古上布での結婚式はできないものかと考え、神社まで足を運んだ。
濱元 奨学金の滞納が多く市の財政圧迫の要因になっているという記事。とても大事な記事で興味深く読んだが、でもそこで記事が終わっているという感じがした。どうしてこういう事が起こるのか、その背景が知りたかった。
下地 私が歌う「古見の主」が、日本を代表する名曲の一つとして英国のアルバムに収録された記事が掲載された。取材した記者がその歌の由来などを詳しく紹介してくれて、私自身とても勉強になった。
渡久山 お知らせや行事案内の「まいにち伝言板・ひろば」のページはよく目を通す。きょうの催しが一目で分かるし、これから行われる行事も掲載されている。活用していきたい。
小山 「おとうさん・おかあさんといっしょ」のコーナーがほのぼのとしていて大好き。事件やその後の裁判報道は、なぜこうなったのだろうか?と友人と話したりする。
与那覇 まず1面を見て、次はテレビ欄を見る。朝起きて新聞を読むというのは習慣になっている。




下地 暁さん(アイランダーアーティスト)「島へのこだわり大事」

下地 暁さん(アイランダーアーティスト)「島へのこだわり大事」


-こういった記事を載せてほしい、という要望はありますか?
濱元 日曜日の新聞は文化面やレジャー、イベントなどの情報をふんだんに掲載してほしい。日曜日に子どもたちと一緒に新聞が読めるというのはとても良いこと。1週間の紙面を整理して、日曜版として遊び的な感覚を盛り込んでほしい。
渡久山 以前、新聞社に「これは掲載することはできない」と言われたことがある。私はなぜなのか理解できなかったが、どんな小さい情報でも掲載してほしいと思う。
下地 地域にこだわり、土着性を前面に出したニュース。いかにして新聞で島を盛り上げていくかという掘り下げた記事や紙面づくりをしてほしい。
上地 これだけは宮古毎日新聞が絶対に面白いというコーナーを作ってほしい。例えば、方言の解説やことわざの由来などのコーナーがあればなと思う。
小山 サタパンビンの美味しい作り方とか、地元料理の紹介をしてほしい。作ってみたいが、宮古島の料理本はあまりないし、新聞で料理方法などを紹介してくれればうれしい。




濱元 雅浩さん(宮古青年会議所理事長)「問題もっと掘り下げて」

濱元 雅浩さん(宮古青年会議所理事長)「問題もっと掘り下げて」


-地元紙としての役割は何だと思いますか?
濱元 事後紹介という情報をもらう分には足りている。しかし、いくつかのニュースは深掘りをしてしっかりと地域全体に伝え、考えさせる報道をしてほしい。それが地域の動きとして発展していくかいかないか、そういった大事な部分も地元紙は握っていると思う。
この出来事は良いか悪いかの判断を新聞社がするのではなく、市民が記事を読んで審判できるような情報をどんどん提供してほしい。
下地 現代はグローバル化になっており、インターネットやテレビでリアルタイムで情報を入手できる。だからこそ、いかに島にこだわるかを色濃く出してほしい。
宮古島の子どもたちが島に誇りを持つためにも、島の土着性を内外に発信していくことが大事だと思う。そうすることで、子どもたちも宮古島に対する自信や誇りが芽生えてくるのでは。そういったことも地元新聞は担っていると思う。
渡久山 私はファッション界にいて、これまでは世界や都会の風を受け、作品に反映させようと思っていた。
でも最近は、地元の素材など島のものを大事にして、それを都会に発信させていきたいと思うのが芽生えてきた。新聞づくりにも通じるものがあるのではないかと思う。
与那覇 今回、RUNを通して多くの大人と関わった。そこで言われたことが、宮古は石垣や沖縄本島と比べて、文化的な面を大事にすることが薄い傾向にあると指摘された。
私は来年卒業して宮古島を離れ本土に行く。宮古島を自慢できることがあるかと考えた時、方言は全然分からないし、三線も練習を始めたばかりで自慢できるものが少ないなと最近知らされた。新聞社には、ニュースだけでなく方言の解説など、宮古ならではの記事を掲載してもらえればと思う。
上地 一口方言コーナーなどがあっても良いのではないか。方言の表示はとても難しく「。」や「▽」を付けて読ませたりしている。ひらがなやカタカナ表記など、新聞社がやるか方言を研究している人たちがやるかは分からないが、宮古方言としての統一した表記は必要と思う。




小山 恵古さん(宮古島商工会議所職員)「地元料理の紹介ほしい」

小山 恵古さん(宮古島商工会議所職員)「地元料理の紹介ほしい」


-新聞に求めることは何ですか?
下地 方言の話が出たが、それと同じように私たちは島の歴史を知る必要がある。
宮古毎日新聞社は今度、創刊年を迎える。それをさかのぼって、年前の何月何日のきょうはこういう出来事があったということを知らせることも必要。毎日連載し、歴史を知らせる。これは重要な役割だと思う。
また、宮古で起こった出来事や話題を1年間または5年間分集めて冊子にしてほしい。日々の新聞とは違う形での資料性としてのまとめ方をしてもらいたい。
濱元 地元紙は、紙面にみんなが参加し交流できるという一つの面白さがある。もう少し記事を深掘りしていけば、その面白さはもっと広がっていくと思う。
紙面が限られている中で、情報をどうやって盛り込んでいくか。紙媒体はそういった問題を抱えている。宮古毎日新聞社は、ホームページも開設していることから記事の背景や歴史、関連記事をストックしておき、興味ある人はいつでもそこにリンクできるという情報提供も必要になってくると思う。




与那覇 修寛さん(宮古高校3年生)「宮古ならではの記事を」

与那覇 修寛さん(宮古高校3年生)「宮古ならではの記事を」


-新聞記者に求めることは何ですか?
小山 記者はいろいろな場所で、さまざまな人たちに話を聞くことができる。「こんなイベントをやるから集まれ」と呼び掛けてもなかなか人は集まらない。それと同じで情報を待つのではなく、それこそおじいさんやおばあさんとも話をして、フットワークを軽く地域の情報をかき集めてほしい。
濱元 ニュースというのはもう新聞には載らない時代。テレビなどに比べると新しくないから。
テレビのニュースで流れているようなものを印刷して出すということはもう成り立たない。記事を掘り下げて、しっかりと読めるように提供することが必要。
濱元 発表ものをそのまま書いて、伝達というだけで終わっていないか。記者自身が楽しみ、わくわくしながら取材して書いた記事は読む側にも伝わる。読者が情報に対するキャッチが強くなるのはそういった記事だと思う。
下地 情報だけを発信するのではなく、取材した中で何をどう感じたかも伝える必要があると思う。
また、さまざまな人たちの肉声を紹介してほしい。言葉を通してその人の生き様を知ることができる。記事を通して家族や親子、地域が触れ合えるようになればうれしい。
記者は地域のことをどうすればもっと知ることができるのか、どう伝えていかなければいけないかを常に念頭に入れて取材してほしい。
小山 外から来て宮古島に移り住んだ人たちは、宮古のことがもっと知りたいと思うはず。私もそう。
本土から来る人は、ダイビングを楽しんで帰る人も多いけど、ずっと居着く人もいる。住んでいる所で、今何が起こりどう進もうとしているかを伝えてほしい。
宮古が大好きなので、宮古のことをもっともっと知りたい。
上地 以前は新聞社が保守系と革新系に分かれていて、記事の内容も大きく違っていた。今は公正公平、中立の立場だ。それはそれで良いが、ある程度は、記者の主観が入った記事も良いのではないかと思う。
私は以前、よく新聞社に投稿していたが、反響は大きかった。
濱元 独自のカラーを出せば良いと思う。ただ、それに意見できる場所も作ってあげることも大事。



-新聞は将来どうなると思っていますか?
上地 今はインターネットで読めたりもできるが、新聞は当分は大丈夫だと思う。インターネットで読んでいる人よりも新聞で読んでいる人が多いと思うから。ネットでしか読めないとなると困る。
さっき、高校生の与那覇君が新聞を読むのは習慣になっていると話していたが、私たちの世代は、大人になってからしか自宅では新聞を読めなかった。それまでは図書館で読んでいた。高校時代に新聞が自宅で毎日読めるというのは幸せなことだと思う。
小山 ネットやテレビに対抗するには、ローカルな話題を増やしていかないと、新聞離れは進むと思う。
この座談会の話をいただいた時、友達と新聞の事を話題にしたが差別化が大事だと考えた。地元を大事にするローカル紙という姿勢を前面に打ち出して、ローカル的なものを深く掘り下げて報道していかなければ、将来、新聞を取る人はいなくなるのではないかと思う。
渡久山 新聞は社会がある限りずっと続いてほしい。新聞は文字情報の宝庫で、いろいろなことを勉強することができる。
いかにお年寄りが大事か、またこれから先も元気で頑張らないといけないということや後継者の育成なども新聞の力を借りて呼び掛けていきたい。ネットがどうのこうのと心配するよりも、独自性を発揮していけば将来も続いていけると思う。
濱元 紙媒体は確実に減ると思う。ただ新聞は紙媒体というくくりもあるが、文字媒体。紙に刷られたものをページをめくって読むか、ネットで読むかは同じ。ペーパーか電子かの違いだけ。
ラジオやテレビの音声だけではニュースそのものは情報として伝わらない。文字、あるいはデータにして残るというところを踏まえれば、文字情報としての新聞は無くならないと思う。
与那覇 新聞はテレビと違い、自分で読まなければいけない。新聞のニュースは前日にテレビで見て知っていることも多いが、もう一度新聞で読むことで頭にしっかりと入る。
個人的には新聞は好き。周囲の高校生も読んでいる人は多い。将来もずっと読み続けていきたい。
下地 島が島であり続けるためには、私たちに何ができるかを考えないといけない。新聞の力は大きい。しかし、完全には無くならないにしても確実に縮小されていくと思う。
音楽にしてもレコード会社は無くならないが、縮小されているという現状がある。配達制度が無くなって、新聞はすべてコンビニで買って読むとか、そういった時代が来るかもしれない。
ローカルはパワーという気持ちを持ちながらいかにして地域密着型の紙面を作るか。どこまで深く追究していくかがカギだと思う。



-記事だけではなく、広告についての意見を
濱元 新しいお店がオープンするとかイベントへの集客をどうするかを考えた場合、宮古島の媒体としては新聞はまだまだ強い。
しかし、従来までと同じような広告のスタイルしかないというのはもったいない気がする。
間口を広くするだけでもすごい情報が入ってくる。これが人を動かす熱にもなる。そうすれば広告料も増えて、紙面作りにも反映できる。まだまだ新聞は情報の中心。それが続いているうちに、もっともっと強くなることを望みたい。
小山 新聞に載ると必ず周囲から「載っていたねー」などと言われる。広告は、どこどこにお店が開店したとか載ると、やはり行きます。



-ほかに要望は?
濱元 宮古の新聞は誤字脱字が多いと思う。学生も新聞は読んでおり、誤字脱字で覚えられてしまうと困る。チェックはきちんとしてほしい。
渡久山「ひろば」のページはよく目を通すが、そこに掲載するのはいろいろな制限があるようだ。もっと間口を広くすれば読者とのコミュニケーションが生まれると思う。
小山 事件、事故などの実名報道は、知り合いが多い土地柄難しいと思う。ただ匿名でもどこの誰々というのは何となく分かる場合がある。そこが本土とは違うところで、難しいところだと思う。
下地 記事に専門用語が出てくる場合があるが、その解説をしてほしい。「スツウプナカ」の解説を明記すればより地元が分かる。
記者は分かっているものと思って書いているはずだが、意外と読者は分からないもの。
また難しい漢字にはルビを振っていただけるとありがたい。
上地 宮古毎日新聞は、地元の話題ばかりではなく、中央のニュースもよく掲載しているので、一紙で事足りていることもある。
県紙を購読しているのは、ほかの市町村のことが分かるから。例えば、家庭菜園では、どこどこに何が栽培されているとか、季節の果物が収穫されたとか、地方のさまざまな情報を知ることが一つの楽しみとなっている。

(文中、敬称略)

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