教育振興に役立てて
宮古市が300万円寄付/多良間村制百周年記念で
姉妹市村の交流さらに
【多良間】岩手県宮古市の山本正徳市長は27日、多良間村に寄付金を贈呈した。寄付金は300万円で、同村の村制施行百周年を記念し児童生徒の教育振興に役立ててほしいとの願いを込めた。同市と同村は商船の遭難、看護が取り持つ縁で姉妹市村となっている。山本市長は「乗員の救助や大震災の復旧支援などで私たちに勇気を与えた」と述べ、さらなる交流発展に期待した。
寄付金の贈呈式は村役場村長室で行われ、山本市長が伊良皆光夫村長に手渡した。
2011年3月11日の東日本大震災で宮古市は大きな被害を受けた。
多良間村は復興支援金を村の予算で計上したほか、募金活動などを実施し同市に義援金を送った。
宮古市からの寄付金の贈呈は、そのお返しの意味も含まれており、受け取った伊良皆村長は「大変感謝している。両市村の取り持つ縁は不思議。先人たちに感謝するとともに、島の子供たちが羽ばたいていくような教育の振興に使わせていただきます」と礼を述べた。
贈呈式には宮古市側から山本市長をはじめ▽前川昌登議会議長▽伊藤晃二教育長▽坂下昭弘教育委員長▽山根正敬総務企画部総務課長▽中村尚道同部企画課秘書室主任▽佐々木純子議会事務局次長▽小田代直子観光親善大使-の8人が出席。
多良間村からは伊良皆村長、友利哲市教育長、福嶺常夫教育委員長が出席した。
多良間村と宮古市との姉妹市村
1859年、宮古の商船「善宝丸」が漂流の末に多良間島に漂着した。島民は約2カ月間にわたり手厚い看護をし、乗員7人全員を無事帰還させた。この史実をもとに1975年、当時の下地朝憲村長が宮古市を訪問し交流を約束。76年には宮古市が「先祖がお世話になったお礼に」と「報恩之碑」を現在の「宮古市の森」に建立した。1996年2月6日には姉妹市村を締結。両村市の児童生徒が交互にホームステイをするなど交流の輪を広げている。