「好きな事を見つけて」
篠塚さんが宮工で講話/パリダカ総合V
日本人初のパリダカールラリー総合優勝(1997年)など数々のレースで上位入賞し、今なお現役で走り続ける篠塚建次郎さん(65)の講話が21日、宮古工業高校(宮里幸利校長)で開かれた。篠塚さんは過酷な条件の下で行われるラリーへの出場を通して考えた事や学んだ事などを紹介。生徒たちに「いろいろな事を経験して自分のやりたい事、好きな事を見つけてほしい。それが幸せの分かれ道になる」と呼び掛けた。
篠塚さんは20日、下地島空港でソーラーカーでの世界最速記録とギネス認定に挑戦。2011年1月にオーストラリアのチームが出した世界記録(88・738㌔)を上回る91・333㌔を記録した。
講話ではソーラーカーに出会ったきっかけや将来への可能性などを紹介。「今の車は大きい、重い、豪華、快適すぎる。全てにオーバークオリティーだ」とした上で「軽くて小さく、空気抵抗が少ないソーラーカーが持っているシンプルさを市販車にも求めていくべきではいか」と語った。
「車がエコと結びつけばいいなと思っていた。車の台数はどんどん増えていく。車の恩恵にあずかってきたわれわれが、地球温暖化防止策を提案していかないと大変な事になる」と話した。
大学時代に友人に誘われ初めて出たラリーで、車が横滑りした時に感じた衝撃が人生の転機になったことを話し「あの経験がなければ、好きな事を見つけられずに終わったかもしれない」と語った。
「65歳だが、毎年挑戦する事を考えている」と篠塚さん。生徒たちには「長い人生で絶対に感じるものがある。それを見つけるには常にアンテナを張っていないとだめ。好きな事を見つけるためにはいろいろな事を経験してほしい」と呼び掛けた。