部員10人胸張って帰島/宮総実
周囲の支えに感謝/県高校秋季野球
沖尚戦の勝利に沸く
「おめでとう。感動をありがとう」-。15日の県高校野球秋季大会で沖縄尚学を下し、16強入りを決めた宮総実ナインが16日、帰島した。空港には学校関係者や父母らが駆け付けて沖尚戦の勝利を祝福。部員わずか10人の快挙達成に惜しみない拍手を送った。主将の根間塁君は「まだ勝ったという実感はないけど、次は見えている」と話し、ベスト8進出に向けて表情に自信をみなぎらせた。
4月まで部員は5人。新入生が入ってようやく「宮総実」として野球の試合ができるようになった。3年生が引退すると部員は10人となり、うち1年生が8人という構成になった。
この新チームが4季連続で甲子園に出場している沖尚に勝ったというニュースは瞬く間に広がった。
新聞などのメディアのほか、インターネット上では宮総実をたたえるコメントが相次ぎ、普段は10件程度しかない学校のホームページアクセス件数は試合が行われた15日だけでも350件に跳ね上がった。
そんな大金星を挙げた宮総実ナインを同校の伊志嶺秀行校長は手放しでたたえた。「このビッグニュースには学校の生徒、職員だけではなく、宮古全体が喜んでいる。沖尚というネームバリューに負けず、自分たちの野球を続けた皆さんは素晴らしい。応援できることを誇りに思う」と沖尚戦での姿勢を評価した。
神里正太監督は「生徒たちの本気の目、その姿勢に私自身感動した。決して背伸びをせず、自分たちの野球に徹する姿は本当に素晴らしかった」と報告した。
また、沖尚戦の2日前に実戦練習に応じてくれた宮高野球部について「あの実戦練習で速い球を打つという練習ができた。こういう支えがあったから今回の結果が出た」と話し、たくさんの応援に感謝した。
報道陣に囲まれた主将の根間君は「七回を過ぎたあたりから、もしかしたら勝てると思ったけど最後まで気は抜けなかった」と振り返る。その上で「次の試合もしっかりと自分たちの野球をやって、ベスト8に行きたい」と力強く話した。
沖尚戦で公式戦2勝目を挙げた宮総実。これから先も初めて経験することばかりだが気負いはない。次戦は21日。沖縄市のコザしんきんスタジアムで名護と対戦し、8強を懸ける。