市民、具体的説明求める/子ども・子育て支援新制度
関心高く会場は満杯/「5歳児問題」に市当局苦慮
次年度4月から開始される国の「子ども・子育て支援新制度」に関する説明会が23日、下地農村環境改善センターで開催された。2部構成で、第1部を「保育および教育に従事する職員(従事予定者を含む)」、第2部で「市民(利用予定者)への概要説明と質疑応答を市児童家庭課、市学校教育課職員を中心に行った。新制度の施行に伴い、これまで沖縄特例であった「学童保育施設」への補助金などが無くなることから、幼稚園児に該当するいわゆる「5歳児問題」が県下全市町村での課題となっている。両説明会は会場を埋め尽くす市民が出席し、同制度に対する関心の高さをうかがわせた。
支援新制度は、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識のもとに、幼児期の学校教育・保育、地域の子ども・子育て支援を総合的に目指し、待機児童の解消と保護者の働きやすい環境作りを行うこと目的に全国一斉に実施される。
しかし、沖縄県の場合、日本復帰以前から公立小学校に幼稚園が併設されていることから、5歳児のいる一般的な家庭では午前を公立幼稚園で、午後は学童保育施設を利用するというパターンが一般的で、その利用率は宮古島市では5歳児全体の43%に達している。
2015年度の措置として市は①公立幼稚園では教諭、安全補助員を配置し預かり保育を全園児を対象に実施②公立保育所は5歳児保育を実施③福里保育所に5歳児クラスを設置④他の公立保育所は4歳児クラスが定員未満の場合、5歳児クラスを受け入れる-などで対応する。
また、法人保育所については①4歳児・5歳児合同受け入れの保育所は継続して実施②学童保育併設の園はそのスペースを5歳児保育室に移行③その他の保育園には4歳児との合同クラスでの受け入れを要請した。
市民(利用予定者)説明会では「公立幼稚園での春休みや土曜日の預かり保育はないのか」「午後の幼稚園預かり保育は、午前と同じ先生が担当するのか」「もっと具体的な午後の幼稚園での預かり保育料を示し、幼稚園、5歳児保育のいずれを選べるかの選択余地を与えてほしい」などの預かり保育時間や家計に関わる質問と意見などが出された。
同新制度に係る国の財源確保はできておらず、自治体への予算交付額も決定していないことから、市は新制度施行後の5歳児預かり保育料の設定ができていない状態だ。市はこれらの対応に苦慮している状況で、現在、「市子ども・子育て会議」で審議中の計画策定と国の予算決定を踏まえて、市の支援内容や利用料などを具体化していく方針だ。