翁長新知事が初登庁/「沖縄発展に全力」
辺野古移設阻止、県政の柱に
【那覇支社】任期満了に伴う11月の県知事選挙で初当選した翁長雄志氏(64)は10日、知事に就任し県庁に初登庁した。就任会見で冒頭、翁長知事は「来年は沖縄戦が終結して70周年を迎えるが、その節目の中で歴史の新しい一ページを開くという意味でも、知事に就任したことを重く受け止めて全力を挙げて頑張りたい」と決意を述べた。
沖縄の基地問題については、「日本の安全保障は日本全体で考えてもらいたい。日米両政府に対し、過重な基地負担の軽減と日米地位協定の抜本的な見直しを求めていく」と述べ、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古埋め立ての阻止に取り組む方針を改めて示した。
その上で、「埋め立て承認に法律的な瑕疵(かし)がないかどうか、検証しながら専門家の意見を踏まえて判断を下していきたい。辺野古に新基地は造らせないという形で私の県政運営の柱にしていきたい」と述べ、今後検証した上で「取り消し」か「撤回」を決断する考えを強調した。
沖縄振興については、「現に進んでいる国際物流や情報通信産業の拠点、国際観光リゾート産業といったアジアに視野をおいたもろもろの産業が今、大きく開こうとしている」と指摘した上で、「私の選挙中の『誇りある豊かさを』というスローガンを取り入れながら、県発展に力を尽くしたい。沖縄21世紀ビジョンの実現に向け一歩一歩頑張りたい」と意気込みを語った。
翁長知事は同日午前9時に公用車で初登庁し、職員に拍手で迎えられた。「沖縄県知事」と書かれた名札を左胸に着けられ花束を受け取ると、職員が作った花道を笑顔で手を振りながら通り抜けた。知事室で高良倉吉前副知事から事務の引き継ぎや、県の組織や財政状況などの説明を受けた。
県庁1階県民ホールでの就任式で、県庁職員を前に翁長知事は「基地の問題を含め県経済、県民生活の一つ一つがまだまだ十二分に百点満点といえないという状況の中で、知事に就任した。皆さんの力を借りて、ご一緒して進みながら、それぞれの分野で頑張っていきたい」とあいさつした。