千代田への陸自配備 再度継続審査に/総務財政委員会
与野党で意見対立/結論は次回以降に
市議会の総務財政委員会(嵩原弘委員長)は19日、同委員会に付託されて継続審査となっている陳情書3件について審査し、3件とも継続審査とすることとなった。島尻信徳野原部落会長からの千代田カントリーゴルフ場への陸上自衛隊配備計画の撤回を求める要請については、野党側から早期の採択を求める意見が出る一方で、与党側からは審査未了として棚上げすべきなどの意見が出された。主張は平行線のままで結局、継続審査の判断となり、結論は次回以降に持ち越しとなった。
野原部落会長からの要請は、航空自衛隊宮古島分屯基地に離発着する大型輸送ヘリによる騒音・風圧振動被害に悩まされているが、市長や沖縄防衛局に要請しても何ら改善されていないと指摘し「これ以上の基地被害は耐え難い」として陸自配備計画の撤回を強く求めている。
真栄城徳彦氏は「昨日の意見交換で野原部落の住民の気持ちはわかったが、自衛隊配備そのものに賛否両論ある中で、候補地がほかの場所になっても反対運動が起こり、第2、第3の野原部落が出てくる。野原部落には悪いが、判断できないので審査未了にした方が良いと思う」と述べた。
これに対して國仲昌二氏は「しっかりと説明しない国や市の対応が問題。どこの地域になっても、国や市が今のような姿勢であれば当然その地域は反対する。この場所で配置するのにどのリスクがあり、それをどう回避するのかを説明して地域住民を納得させるべきであり、今のやり方はあまりにも乱暴すぎる」と訴え、今回の要請については早急に採択すべきとの見解を示した。
濱元雅浩氏は「大福牧場への配備が無くなったことで千代田配備についても計画自体が現状はないものと理解している。何の情報もないままでこの陳情を採択することは難しい。委員会として防衛局に質問したり、参考人招致して中身をしっかり把握した上で判断すべき」と訴えた。
これについて國仲氏は「具体的な話が無くて、判断材料がないとしているが、防衛局側が6月22日に示した見解では『千代田については使っていくことになる』『用地購入の手続きに入る』としている。何も決まっていないはずなのにどんどん作業が進んでいく。それを不安に思い、そうなる前にどうかこの話を止めてくださいというのが地域の要請になっている」と述べた。
結局、この日の審査でも結論には至らず、ほかの2件も含め、その判断はこの日都合で欠席となった前里光惠氏が参加する次回以降に持ち越すこととなった。