高齢者の運転卒業たたえる/宮古島署と交通安全協
免許証返納者に証書
運転免許証を自主返納した高齢者に「安全運転卒業証書」を贈る授与式が29日、宮古島警察署(大城辰男署長)で行われた。大城署長と宮古島地区交通安全協会の新里孝行会長が参加者一人一人に卒業証書を手渡し、長年の交通安全の功労をたたえた。
宮古島は全免許保有者に占める70歳以上の高齢者の割合が高く、高齢者が関係する交通事故の増加が懸念されることから、昨年12月から自主返納者に「安全運転卒業証書」を授与するなど高齢者返納制度を浸透させる取り組みを行ってきた。
今年はこれまでに前年同期比の約3倍に当たる48人の高齢者から運転免許証の自主返納を受理した。
卒業証書授与式では参加した自主返納高齢者一人一人に大城署長と新里会長から証書と記念品が贈られた。
大城署長は「皆さんが免許を返納してくれることは画期的で意義あること。これからは交通安全のリーダーとして宮古島署の取り組みを支援してほしい」と要請。新里会長は「これまで安全運転でけがなく過ごせたからこそ卒業できたと思う。これからは子や孫に交通安全について伝えてほしい」と語った。
「卒業者」を代表して長嶺恵子さん(72)が「新聞などで事故の記事を見て、そろそろ運転も難しくなるかと思い、返納しようと思った」と返納を決めた理由を説明するとともに、「車がないのは不便だが、元気に歩いてお互いに健康維持に努めよう」と呼び掛けた。