森氏が思い語る/七光湾プロジェクト
デザイナーの森万里子氏による「七光湾プロジェクト」について地元住民に説明する第1回市民ミーティングが23日、狩俣集落センターで開かれた。集まった多くの住民に対し、森氏らがプロジェクトのコンセプトや工事の施工方法などを語った。
狩俣地区の七光湾に森氏がデザインする柱状の「サンピラー」と海に浮かぶ「ムーンストーン」という二つの彫刻作品をパブリックアートとして設置する同プロジェクト。「サンピラー」は湾内に隆起した岩に2011年4月中の設置を、湾内に浮かべる「ムーンストーン」は11年度以降の設置を予定している。
市民ミーティングの冒頭、狩俣自治会の上原正行会長が「この計画で宮古島や狩俣地区が観光面で発展すれば地域のためになると考えている」とあいさつ。森氏は「宮古島には2006年に初めて来てインスピレーションを受け、プロジェクトのイメージが湧いた。これは私とニューヨークに立ち上げた財団からの愛のギフトだと思って受け取ってほしい」との思いを述べた。
プロジェクトについての説明では森氏が、「太陽と月の結婚」のイメージで作品を構想したこと、七光湾に作品を置くことで、地元に大切な宝物を持っていることを認識してもらうとともに、世界中の人に訪れてもらい、美しい自然を見てもらうことで人間も自然の一部であることを分かってほしいとの思いを持っていることを語った。
施工方法の説明では担当業者が、人力による作業を取り入れることで環境に負荷を与えない工事を行う考えを示した。
質疑応答の中で森氏は、「サンピラー」の一般公開は来年5月27日を予定していて、海外の美術関係者らに出席を要請していること、設置作品の所有権は最終的には宮古島市か地元のNPOなどに寄贈する考えであることなどを説明した。