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2011年4月6日(水) 22:05

他山の石(行雲流水)

 東日本沖の巨大地震は、千年に一度発生するかどうかの規模だったという。宮古島は、このような「想定外」の災害に見舞われる可能性はないのだろうか


▼宮古島が乗っている大陸プレートは宮古島南東沖でフィリピン海プレートと接触しているし、宮古島の北方海底には霧島火山帯が走っている。「宮古史伝」は、1771(明和8)年に高さ30数㍍の大津波により2548人が亡くなったと伝えている。これらの地質構造や文献は、宮古島近辺でも大規模地震・津波が起きる可能性を示唆している


▼問題は、その確率。「何十年あるいは何百年に一度の災害を想定するか」は、施設やシステム設計の基本要素。たとえば鉄塔は、瞬間最大風速80㍍を想定するか、100㍍を想定するかで建設費用は倍増する


▼現実には、五百年に一度の災害は「想定」から外し、「万が一」の場合の対応を別途考えることに。今回の震災は、この「別途対策」が甘かったために「逡巡」と「混乱」が生じ、被害が拡大したと思われる


▼原発事故も例外ではない。台湾や中国広東省では原発が稼動中だ。万が一、偏西風に乗って放射性物質が宮古島に降って来たとき、どうするか。今回の震災から学ぶことは多い


▼高さ30㍍の津波、10㍉シーベルトの放射線、瞬間最大風速100㍍の台風など最悪の事態を想定した〝別途対策〟を「宮古島市防災計画」に織り込んでおく必要がある。避難対策、電気・水・食料・医療・行政機能・情報網の確保対策などだ。いざという時、「逡巡」と「混乱」を招かないために。