2011年4月25日(月) 13:58

合い言葉は「あきらめない」/南相馬市出身の西内洋行さん

壊滅的な故郷に思いはせ


西内さん夫妻の笑顔は、どんな苦難にも互いに支え合いながら笑いを絶やさないことが大切と訴えているようだ=24日、市陸上競技場

西内さん夫妻の笑顔は、どんな苦難にも互いに支え合いながら笑いを絶やさないことが大切と訴えているようだ=24日、市陸上競技場

 「自分にできること、自分にしかできないことをやりたい」と話すのは宮古島トライアスロン大会の常連で常に上位争いを展開してきた西内洋行さん(35)。

 西内さんは今回の震災で甚大な被害を受け、さらに原発の避難地域となっている福島県南相馬市の出身。


 「大学までの22年間を南相馬で過ごした。トライアスロンをやり始めた時、練習でよく使った海岸もあの震災でなくなった」


 今年の大会は惜しくも表彰台には届かなかったが、昨年大会より順位を二つ上げ4位の好成績。


 震災後の各大会では腕に喪章をつけて大会に出場。「きつくてくじけそうなときもこの喪章を見ると故郷のために頑張ろうと力が湧いてくる。今回は喪章だけでなく、沿道から『西内頑張れ』との応援を各地で受けた。これが本当に力になった」と島の人たちの声援に感謝した。


 実家のある西相馬市からは、両親や親族が西内さんの自宅がある兵庫県に避難している。


 同じトライアスリートの妻の真紀さんは阪神淡路大震災を経験し、その際の地震で実家が全壊し被災を経験。今回の震災後はその経験を踏まえて西内さんを支えてきた。


 西内さんは、本来出場を予定していなかった宮古島大会直前のシンガポールの大会にあえて出場。被災地の様子を現地で報告し、募金活動を行い300万円の募金を集めた。


 こうした取り組みに真紀さんは「シンガポールの大会から間がないので、宮古の大会は体力的にも大変だったと思うけどよく頑張ってくれた」と話した。


 二つの大震災が西内夫婦の生活に大きな影響を与えたが、自分という強敵と闘うトライアスロンで鍛えられた2人の笑顔には、困難にも互いに支え合いながら立ち向かう強さが感じられた。