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2011年11月28日(月) 22:44

ブータン国王(行雲流水)

 九州ほどのヒマラヤの高地に70万人が住むブータンの国王が来日、国会での演説が国民の関心を呼んだ



▼国王は「日本は技術と革新の力、勤勉さと責任、伝統的価値における模範である」と語り、東日本大震災の対処について、「日本国民は静かな尊厳、自信、規律、心の強さをもって対処された」と賞賛した


▼自国については、「今日のめまぐるしく変化する世界において、国民が何よりも調和を重んずる社会、若者が優れた才能、勇気、品格を持ち、祖先の価値観によって導かれる社会、そうした思いやりのある社会で生きていることを私は誇りに思う」と述べた


▼ブータンでは経済力の指標であるGNP(国民総生産)よりもGNH(国民総幸福量)が大切だと考えられている。その評価の基準は精神面の幸福や生活水準、健康や教育、環境の保全や地域の活性度と人間関係、統治の良さ等である。ブータンは、調和ある施策により、自給率は100%、医療費と教育費は無料で、国民の97%が幸せを感じているという。国王は慶応大学で名誉博士号を授与されたが、その理由は、「国民総幸福量」(GNH)という概念を世界に普及させ、持続可能な発展の観点から学術的にも大きな貢献をしたことによる


▼被災地の子どもたちには龍の話をした。私たちは心の中に「人格」という龍を持っている。その龍は「経験」を食べて成長する。どうか自分の龍を大きく素晴らしく育ててほしい


▼国王の一連のメッセージは、精神性と調和ある発展の大切さを考えさせた。