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2012年4月18日(水) 22:30

「新人教育」(行雲流水)

 4月は、変化の季節。植物がよそおいを新たにするだけではない。人間社会でも新年度がスタートする。入学や進級、入社や人事異動など新しい人やテーマとの出会いが始まる時節だ



▼イギリスのことわざに「鉄は熱いうちに打て」との言葉がある。教育は若くて頭脳が柔軟なうちに鍛えよ、あるいは何事も事が始まったらすぐに対処せよとの意味だ。新人教育は、その人の人生ばかりでなく会社や地域の将来をも左右するということのようだ


▼家電量販店の大手Y電機では、今春卒業した中国人留学生を大量に採用したという。中国南京に出店するための準備だ。日本流の〝接客態度〟を徹底教育し、現地採用の新卒従業員を指導する要員を養成するとのこと。社長は「日本流の〝もてなしの心〟で勝負を挑む。そのため従業員はすべて新卒者でかため、基礎教育から徹底したい」と語る


▼〝顧客サービスの良さ〟は日本的経営の特徴の一つだ。かつては、歌手の三波春夫が「お客様は神様です」と言ってうけた。今でも、入社式の訓辞で「お客様第一」を説く経営者は多い


▼一方、沖縄の中小企業O社の社長は「新卒者の採用は避け、本土中堅企業に就職したUターン組を採用している」と言う。その理由を聞くと、新人教育を徹底する時間的・資金的余裕がないので、本土の企業で基礎訓練を受けた人の即戦力に期待しているとのこと


▼Y電気もO社も、形態は違うが、新人の基礎教育が大事だという認識では共通している。フレッシュマンたちに寄せる周囲の期待は大きい。