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行雲流水
2012年6月11日(月)23:48

「洗脳」(行雲流水)

 オウム真理教の反社会性を糾弾することは当然だが、オウムに関わらなければ良き社会人として一生を過ごせたはずの若者たちが気の毒でもある


▼オウム真理教の教祖である麻原彰晃(本名・松本智津夫)は「救済」の名の下に日本を支配することを空想し、それを実現する過程で教団と敵対する人物の殺害や無差別テロを実行して世間を震撼させた

▼信者たちは暴力や薬物などで洗脳され、巧妙な方法でマインドコントロールされた。ある種の薬物を使うと、妄想や幻覚を覚え、精神に異常をきたす。そこで、教祖の教えを聞かせると容易に洗脳されるという。麻原は「空中浮揚」写真を活用して自らのカリスマ性を高めたりもした

▼洗脳やマインドコントロールはカルト宗教や悪徳商法(催眠商法)、ある種の自己啓発セミナー等にとどまらない。北朝鮮の情報操作やナチス・ドイツの「ハイル・ヒトラー」(ヒトラー万歳)の合言葉でも、戦時中の「大本営発表」でも大衆はマインドコントロールされた

▼健康不安をあおってサプリメントの購買意欲を高めるコマーシャルにもそれがある。映画やテレビで知覚できない速さでコーラの映像を入れておくと、見た人は後でコーラが飲みたくなる。サブリミナル効果と呼ばれる意識下に刺激を与える方法で、アメリカでは法律で禁止されている

▼カルト宗教では、白か黒か、善か悪か、敵か味方かといった二極思考で、自分たちだけが真理を持っていると思い込む。自分の頭で物事を柔軟に考えることこそが大切であろう。

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