2012年9月5日(水) 9:00

下地島空港の利活用急務/伊良部大橋 工期内完成を

県議会土木環境委が現場視察


伊良部大橋の工事進ちょく状況を確認する委員ら=4日、伊良部大橋建設現

伊良部大橋の工事進ちょく状況を確認する委員ら=4日、伊良部大橋建設現

 県議会土木環境委員会(中川京貴委員長)の宮古島視察2日目が4日に行われ、日本航空(JAL)の訓練撤退に伴い新たな利活用対策が急務となっている下地島空港と、設計変更や台風の影響で工期が当初予定より遅れている伊良部大橋の建設現場などの状況を確認した。



 今回、来島したのは奥平一夫氏ら土木環境委員会の委員12人と、座喜味一幸氏ら委員外議員3人の計15人。3日から2泊3日の日程で宮古島市と石垣市で、道路、橋梁、空港の整備事業や環境保全についての事業を視察調査している。


 下地島空港では県空港課の嘉手納良文課長や下地島空港管理事務所の伊敷勝司所長らが、空港周辺県有地の市への売却予定や、JALが年間維持費を負担する覚書を今年3月末で終了させたことに対し、覚書の効力継続を求める民事調停を行っていることなどを説明。伊敷所長は、JAL撤退後の新たな利活用を検討するには5年は必要との考えから、JALに引き続き年間維持費の支払いを求める調停を行っていることを説明し「県に有利な案が出るよう取り組みたい」と語った。


 現在も訓練を行っている全日空(ANA)の動向について委員が質問したのに対し嘉手納課長は「正確な通知ではないが」とした上で、「次年度は本土の別の空港で訓練を検討していると聞いている」と回答。現在は特別会計による独立採算での空港運営の今後については、「調停が県の期待通りにならず、航空会社からの負担で運営できなくなった場合には県当局からの支出も検討しなければならない」と一般会計からの持ち出しとなる可能性があることを指摘した。


 伊良部大橋については、県土木建築部道路街路課の末吉幸満課長らが工事の現状を報告。当初予定では12年度で完成予定だったが、主航路部の設計変更に伴い事業期間が1年間延長となったほか、今年6月に発生した台風6号の影響で主航路部の架設ができず、さらに約10カ月延長させる結果となったことを説明。主航路部架設を行う大型クレーンは波高が0・5㍍以上、風速が10㍍を超えると作業ができないことから、台風の多い夏秋、北風が強くなる冬時期の作業は困難として、主航路部架設工事は来年の4、5月に実施する方針を説明した。


 委員が今後、工期が再延長となる可能性についてただしたのに対し末吉課長は「台風など天候によっては再延長の可能性はある」としながらも「残りはあと少しなので何とか工期内に完成させたい」と話した。設計変更に伴い工事がストップした期間についての質問に対しては「ストップした期間はない。常に工事は行ってきた」と回答。今年度予算に計上されていていながら年度内に実施できない事業費については予算を減額させる考えを示した。


 説明を聞いた後、委員らは伊良部大橋の建設現場を視察。宮古島側から橋でつながっている先端まで行き、工事の進ちょく状況などを確認したほか、下崎ふ頭に仮置きされている主航路部分を見学した。


 中川委員長は「下地島空港に関しては、県の対応は遅いと思う。調停で県の申し出が通らない可能性もある。その場合の対応など先手先手で考えなければいけない。伊良部大橋は完成させることが最大の目標。出来る限りの予算措置をしながら、あとは最後の締めくくりを事故なく安全に行ってほしい」と語った。


 視察団は同日夕、次の視察地である石垣市に移動した。