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行雲流水
2013年3月11日(月)23:30

「民謡の力」(行雲流水)

 脳は脳神経細胞のネットワークで、思考したり、想像したり、記憶している。そのなかで、言葉や音楽などの記憶は幼少のころの経験や「繰り返し思い出す」ことで定着するといわれる


▼明治期に、沖縄からペルーへ移民が行われた。ところが、現地の土地は乾燥した砂漠地帯で、苦労が絶えなかった。人々は残してきた両親のことをいつも思い浮かべ、そして、故郷の民謡に慰められ、励まされていた。移民一世の一人が言った。「音楽があるから長生きできたのよ」(NHK、旅のチカラより)

▼旅のチカラ「移民たちの島唄」で旅をしたのは「島唄」を作詞作曲した宮沢和史氏である。「でいごの花が咲き、風を呼び、嵐が来た」で始まるこの歌は沖縄戦の悲しみを歌ったものである。戦争時、排日運動でも苦しめられた人々には共感するものがあったに違いない。「島唄」をともに歌うコンサートは成功裏に終わった

▼故郷の方言や民謡を聞くと、どこか懐かしい。このたび、沖縄宮古民謡協会によって、カママ嶺公園に「とうがにあやぐ」の歌碑が建立された。近代宮古民謡の礎を築いた友利明令氏は書いている。「アヤグは綾語ではないか。この歌は祝宴のときに、献杯をしながら、祝詞を言う代わりに、即座に歌をもって申したものだ」

▼「大世照らしぅ真太陽だき国の国々島ぬ島々照らがり覆いよ」で始まる。世界観を壮大なスケールで表現しており、美しい旋律で朗々と歌われる

▼家運繁栄をことほぎ、「宮古のあやぐ」のあまりの美しさを称えている。

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