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行雲流水
2013年4月1日(月)23:00

「旅立ちのとき」(行雲流水)

 4月は別れと出会いの季節。新しい世界への旅立ちのときである

▼宮古上布作家の仲間伸恵さんが、琉球大学教育学部講師として4月1日付で赴任した。先日、その祝賀、激励会が宮古郷土史研究会の会員や友人たちで催された。会は仲間さんの誠実な人柄や、高い志を持って地道に努力する姿勢、その道における造詣の深さ等を称え、歌あり、踊りありの心温まるものであった。会場には「琉球大学教育学部講師就任 伸恵さん、美しい人生を織りましょう」の文字が掲げられていた

▼仲間さんは、琉球大学教育学部美術工芸科を卒業後、京都の大学院で学び、就職した。その間、各地の博物館や美術館で美しいものに触れる機会を多く持った。その後、「宮古上布」と関わりたくて帰省、福樹工房で宮古上布を織り、研さんを積んできた。また、長年にわたり宮古郷土史研究会の事務局長として尽力してきた

▼伸恵さんは述べる。「素朴で、そして神々しい苧麻糸に触れられることに感謝しつつ、力を秘めた美しい上布がこの世に生まれ出てくるための通り道になれるよう精進したい」

▼伸恵さんは「紙」についての造詣も深く、宮古島市史第1巻通史編『みやこの歴史』のとびらにも彼女のすいた紙が使われている。ある苧麻ですいた作品について、琉球新報の美術評論では「素材の特性を生かしつつも存在のはかなさと確かさを感じさせる美しい作品です」と評されている

▼このたびの講師就任で、研究が一層深められ、後進の育成が図られる。活躍を期待したい。

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